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上場企業の平均給与、過去20年で最高額「638万円」【帝国データバンク調べ】

マスメディアン編集部 2023.07.28

  • 業界動向
帝国データバンクは、上場企業の「平均年間給与動向調査(2022年度決算)」を行い、その結果を7月25日に発表した。この調査から、2022年度の上場企業の平均給与は「638万円」で、過去20年で最高額に達したことがわかった。
帝国データバンクは、上場企業の「平均年間給与動向調査(2022年度決算)」を行い、その結果を7月25日に発表した。

この調査は、有価証券報告書に「平均年間給与」の記載がある全上場企業を対象に実施している。この調査から、上場企業の2022年度・平均給与は638万円と、過去20年で最高額に達していることがわかった。調査結果は以下の通り。

調査結果

上場企業の2022年度平均給与は638万円、過去20年で最高額
上場企業における「賃上げ」の動きが目立っている。2022年度決算期(22年4月-23年3月期)における全上場約3800社の平均年間給与(平均給与額)は638万円だった。2021年度の624万円より14万円(2.2%)多く、2年連続で前年から増加したほか、平均給与額・増加額ともに過去20年間で最高だった。また、日本国内の平均給与額443万円より約200万円高い水準となった。

2021-22年度の増減を比較すると、前年度から平均給与額が「増加」した上場企業は68.9%を占めた。2021年度時点の66.7%から拡大し、上場企業でも賃上げの動きが広がっている。特に、前年度から「30万円以上」増加の割合は25.3%と、全上場企業の4社に1社で大幅な賃上げとなったほか、比較可能な2004年度以降で最高だった。輸出企業を中心に円安の追い風を受けて好業績となった企業が多かったほか、物価高や人手不足を背景とした賃上げ機運が22年度以降急速に高まったことを背景に、上場企業の平均給与額は近年上昇傾向にある。
前年度から「増加」の割合、運輸・倉庫業が最高の78.4%
平均給与額別を見ると、最も多かったのが「500万円台」で1059社・27.7%を占めた。ただ、社数では2020年度以降2年連続で減少しており、賃上げ等により「600万円台」(935社・24.5%)以上に移行した企業もあった。「1000万円以上」も総合商社やM&A仲介、メディア、不動産など134社あり、企業数は過去20年で最も多かった。

また、全上場企業のうち約9割は日本国内の平均給与額よりも高い水準だった。なお、2022年度平均給与額が最も高い企業は、M&Aアドバイザリーや仲介業務を手がける「M&Aキャピタルパートナーズ」(3161万円、東証プライム)。業種別に見ると、前年度から平均給与額が増加した上場企業が多かったのは「運輸・倉庫」の78.4%だった。需要が回復している空運・海運業や、人手不足に伴うトラック運転手の賃金上昇が続く陸運業などで平均給与額の増加が相次いだ。「卸売」や「サービス」でも7割以上の企業で平均給与額が増加した。

帝国データバンクによる分析

同社が2023年1月に実施した別の調査にて、2023年度にベアや一時金の引き上げを含めた「賃上げ」の意向を表明した企業の割合は過去最高水準であることがわかっている。人手不足などを背景に「労働力の定着・確保」目的の賃上げが約7割を占めたほか、従業員の生活支援や物価高騰の影響を受けたものも多かった。上場企業でも優秀な人材の確保は容易ではないと見られる中、賃金引き上げなど処遇改善が難しい企業では必要な社員を確保できない可能性があると同社は言及する。

足元では、業績好調な企業・業界を中心に初任給など給与テーブルの大幅な引き上げや、パート・アルバイトも含めた時給の引き上げに動く企業も出ており、待遇改善で人材を確保する傾向が強まっている。上場企業の給与水準は日本国内の平均給与額を既に大きく上回っているものの、2023年度もさらに上昇すると同社は予想する。