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経産省「伊藤レポート3.0」公開、サステナブルな企業価値創造を目指す

 2022.09.02

  • 政府
経産省は、8月31日、サステナビリティ・トランスフォーメーションの実現に向けた具体的な取り組みを整理した「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」を取りまとめ、発表した。SXの実現に向けた経営の強化、効果的な情報開示や建設的な対話を行うためのフレームワークとして価値協創ガイダンスを改訂することを目指し、昨年11月に立ち上げた「価値協創ガイダンスの改訂に向けたワーキング・グループ」で2回の会合での議論の成果を取りまとめている。
経産省は、8月31日、サステナビリティ・トランスフォーメーション(以下、SX)の実現に向けた具体的な取組を整理した「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」を取りまとめ、発表した。同時に、SXの実現に向けた経営の強化、効果的な情報開示や建設的な対話を行うためのフレームワークとしてアップデートすべく、現行価値協創ガイダンスを「価値協創ガイダンス2.0」として改訂した。

日本企業の資本効率性や長期成長に向けた投資は伸び悩んでおり、伊藤レポート(2014年公表)以来の課題である「稼ぐ力」や長期的な企業価値の向上は急務となっている。一方、国際的な動向に目を向けると、サステナビリティ課題を巡る状況は企業活動の持続性に大きな影響を及ぼしており、サステナビリティへの対応は、長期的かつ持続的な価値創造に向けた企業経営の根幹をなす要素となりつつある。こうしたなかで、経産省は2021年5月にSX研究会を立ち上げ、SXの実現に向けて、企業や投資家などに求められる取り組みを具体化させるため、8回にわたり議論を行った。

SX研究会の議論を踏まえつつ、SXの実現に向けた経営の強化、効果的な情報開示や建設的な対話を行うためのフレームワークとして価値協創ガイダンスを改訂することを目指し、昨年11月に立ち上げた「価値協創ガイダンスの改訂に向けたワーキング・グループ」で2回の会合を催し、検討を深めた。以上の議論の成果として、「伊藤レポート3.0(SX版伊藤レポート)」と「価値協創ガイダンス2.0」を策定した。それぞれの主なポイントは以下の通り。

伊藤レポート3.0の主なポイント

1. 日本企業の長期成長に向けた投資の伸び悩みや、国際的にサステナビリティへの対応が長期経営の根幹をなす要素となりつつある状況は、日本の企業・投資家をはじめとするインベストメントチェーン全体にとって試練であるとともに、チャンス。
2. SXの実践こそ、これからの日本企業の「稼ぎ方」の本流となっていく。
3. 企業が投資家等との建設的な対話を通じ、従来の企業活動の延長線上にはない非連続的な変革を加速することが重要。
4. SXの実現のための具体的な取組としては、以下の三点が挙げられる。
(1)社会のサステナビリティを踏まえた目指す姿の明確化
(2)目指す姿に基づく長期価値創造を実現するための戦略の構築
(3)長期価値創造を実効的に推進するためのKPI・ガバナンスと、実質的な対話を通じた更なる磨き上げ
5. バリューチェーン全体(中堅・中小企業やスタートアップを含む)やインベストメントチェーン上の多様なプレイヤー(運用機関・アセットオーナー、証券アナリスト、ESG評価機関など)も含め、日本全体でSXを効果的に推進していくことが必要。

価値協創ガイダンス2.0の主なポイント

1. ガイダンスの全項目において、持続可能な社会の実現に向けて、企業が長期的かつ持続的に価値を提供することの重要性と、それを踏まえた対応の方向性を明記
2. 項目「長期戦略」を新設
3. TCFD提言における「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の開示構造との整合性を確保
4. 項目「実行戦略(中期経営戦略など)」において、人的資本への投資や人材戦略の重要性をより強調する構成へと組み直し
5. 項目「実質的な対話・エンゲージメント」を新設