人的資本KPIの最新動向 男性育休取得率が2年間で+27.2pt改善、女性管理職比率には停滞感【エフペリ調べ】
マスメディアン編集部 2026.06.26
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エフペリは、Career Reveal登録企業3802社を対象に、2025年期の人的資本KPI(女性管理職比率、男性育休取得率、男女賃金差)の開示状況と3年間の推移を調査・分析した。
分析の結果、同一企業における3年推移において、男性育休取得率は2年間で+27.2pt(中央値75.0%)と大幅に改善した一方、女性管理職比率は+1.5pt、男女賃金差は+1.4ptと小幅な改善に留まり、制度利用の進展と組織構造の変化に大きな進捗差があることが浮き彫りとなった。
また、売上1兆円以上の大企業では90.7%が3項目すべてを開示しているのに対し、100億円未満の企業では31.0%に留まるなど、企業規模による「開示格差」も鮮明になっている。
分析の結果、同一企業における3年推移において、男性育休取得率は2年間で+27.2pt(中央値75.0%)と大幅に改善した一方、女性管理職比率は+1.5pt、男女賃金差は+1.4ptと小幅な改善に留まり、制度利用の進展と組織構造の変化に大きな進捗差があることが浮き彫りとなった。
また、売上1兆円以上の大企業では90.7%が3項目すべてを開示しているのに対し、100億円未満の企業では31.0%に留まるなど、企業規模による「開示格差」も鮮明になっている。
調査結果サマリー
・2025年期に人的資本開示3項目のいずれかを確認できた企業は3134社(登録3802社比82.4%)、3項目すべてを確認できた企業は2446社(同64.3%)。・2025年期の女性管理職比率の中央値は8.6%(平均値12.6%)。開示企業数は2973社で登録比78.2%。
・2025年期の男性育休取得率の中央値は71.4%(平均値68.5%)。開示企業数は2699社で登録比71.0%。
・2025年期の男女賃金差の中央値は69.5%(平均値68.6%)。開示企業数は2770社で登録比72.9%。
・2023→2025年期の3年推移では、男性育休取得率が+27.2ptと大幅改善。一方、女性管理職比率は+1.5pt、男女賃金差は+1.4ptと改善は小幅にとどまった。
2025年期の開示状況
| 指標 | 開示企業数 | 登録3802社比 | 中央値 | 平均値 |
|---|---|---|---|---|
| 女性管理職比率 | 2973社 | 78.2% | 8.6% | 12.6% |
| 男性育休取得率 | 2699社 | 71.0% | 71.4% | 68.5% |
| 男女賃金差 | 2770社 | 72.9% | 69.5% | 68.6% |
| 3項目のいずれか | 3134社 | 82.4% | — | — |
| 3項目すべて | 2446社 | 64.3% | — | — |
※男女賃金差は「女性の賃金の男性に対する割合」を示しており、100%に近いほど男女間の賃金差が小さいことを意味する。
2023〜2025年期の3年推移
| 指標 | 対象企業数 | 2023年期 中央値 |
2024年期 中央値 |
2025年期 中央値 |
2023→2025 変化 |
|---|---|---|---|---|---|
| 女性管理職比率 | 2383社 | 6.8% | 7.4% | 8.3% | +1.5pt |
| 男性育休取得率 | 1936社 | 47.8% | 61.5% | 75.0% | +27.2pt |
| 男女賃金差 | 2259社 | 68.3% | 68.8% | 69.7% | +1.4pt |
男性育休取得率は2年間で中央値が47.8%から75.0%へと大きく改善しており、開示企業において男性の育児休業取得が広がっている傾向が見られる。一方、女性管理職比率と男女賃金差の改善は小幅であり、制度利用の進展と、登用・配置・賃金構造の変化には進捗差が見られる。
売上規模別の開示状況(2025年期)
| 売上規模 | 対象企業数 | 3項目いずれか開示 | 3項目すべて開示 | 女性管理職 中央値 | 男性育休 中央値 | 男女賃金差 中央値 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 100億円未満 | 1043社 | 55.1% | 31.0% | 14.8% | 71.4% | 72.3% |
| 100〜300億円未満 | 832社 | 87.1% | 65.6% | 10.0% | 66.7% | 70.5% |
| 300〜1000億円未満 | 882社 | 95.4% | 79.7% | 7.3% | 70.0% | 68.6% |
| 1000〜3000億円未満 | 494社 | 99.2% | 86.0% | 6.3% | 71.4% | 67.6% |
| 3000億〜1兆円未満 | 312社 | 99.0% | 87.5% | 6.4% | 82.9% | 68.8% |
| 1兆円以上 | 194社 | 99.5% | 90.7% | 7.5% | 85.7% | 69.7% |
売上規模が大きい企業ほど3項目すべての開示率は高く、1兆円以上企業では90.7%に達している。一方、女性管理職比率の中央値は、売上100億円未満企業の14.8%に対し、1兆円以上企業は7.5%と低く、開示の進展と指標水準の高さは必ずしも一致しないことが確認される。
Career Revealの総合分析
人的資本の開示は、大企業を中心に定着の傾向が見られる。売上1兆円以上の企業では3項目すべての開示率が90.7%に達しており、開示の形式面では一定の普及が進んでいる。一方、開示が進む中でも、指標の改善状況には差が見られる。男性育休取得率は2023年期47.8%から2025年期75.0%へと2年間で+27.2ptの大幅な改善を示しており、育児休業を取得しやすい環境づくりが広がっていることが読み取れる。これに対し、女性管理職比率は同期間に+1.5pt(中央値6.8%→8.3%)、男女賃金差は+1.4pt(中央値68.3%→69.7%)と改善は小幅にとどまっている。
制度利用の進展と、登用・配置・賃金構造の変化の間には、進捗に差が生じている。今後の人的資本経営においては、開示を通じた透明性の確保とあわせ、指標の実質的な改善——特に女性の管理職登用や男女間の賃金格差の是正——に向けた取り組みが問われると言える。人的資本KPIは単一の数値だけでなく、開示状況・時系列変化・企業規模・業界特性を組み合わせて読み解くことで、企業の実態をより正確に把握できると同社は考えている。
調査概要
調査対象:Career Reveal登録企業3802社分析対象:2025年期の人的資本KPI
主な分析指標:女性管理職比率、男性育休取得率、男女賃金差
比較期間:2023年期〜2025年期
出典:各企業の有価証券報告書
集計方法:同一企業・同一年度・同一KPIは企業単位で重複除外
年度の定義:各社の2025年期データを対象。決算期の違いにより、対象期間は企業ごとに異なる場合がある。
