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経済産業省が人的資本相関可視化ツールを開発、10社の調査が示す人的資本経営の道標

マスメディアン編集部 2026.06.01

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近畿経済産業局は令和7年度、社員の幸せを中心に据えた経営の実態を可視化する「人的資本相関可視化ツール(ver.1.0)」を開発し、モデル企業10社を調査した。その結果、組織・仕事のあり方が社員の幸せや成長と広く正の相関を示すことが判明。中小企業一般の値を上回る経営アウトプットも確認された。
近畿経済産業局では、人を価値創出の源泉と捉えて、社員の幸せを最大の目的とする企業の経営実践を調査する「BE THE LOVED COMPANY PROJECT」を令和4年度から推進している。

令和7年度は、これまで暗黙知的であった「人(社員)の幸せを中心に据えた経営」の実態を定性・定量の両面から捉えるために、人的資本相関可視化ツール(ver.1.0)の開発に取り組んだ。

当該ツールを用いて、モデル企業10社を調査した結果、人・組織の「いい状態」を組成する指標(勘所)同士の相関関係が明らかになったほか、経営アウトプット指標から、労働生産性の低下や採用難などの構造的な課題から脱却している可能性が確認された。

(1) 背景・取組の概要

人手不足の常態化をはじめとした地域の中堅・中小企業を取り巻く環境変化に対応するため、企業の「稼ぐ力」の向上が不可欠である。こうした状況下において、経済産業省では、人を付加価値創出の源泉と捉える「人的資本経営」の普及等により、企業の付加価値向上を推進している。

近畿経済産業局では、「人(社員)の幸せを中心に据えた経営」を人的資本経営の一つの形と捉え、70社超の中堅・中小企業の協力のもと、「BE THE LOVED COMPANY PROJECT」を実施してきた。

非上場の中堅・中小企業の「人的資本」に関する情報は、法に基づく開示義務の対象外であることなどから、企業の実践に結びつきにくく、実践事例やその効果が可視化されにくい側面があった。

そうした状況も鑑みて、令和7年度は、自社の「状態」を捉えられる人的資本相関可視化ツール(ver.1.0)の開発、およびモデル企業10社の調査・分析を行い、共通点や多義性・多様性に関する探求を実施した結果をレポートにとりまとめた。

(2) 成果物(REPORT 4.0)のポイント

■BE THE LOVED COMPANYを志向する企業の道標たりうる人的資本相関可視化ツール開発・調査
□自社の現在地を把握し、内省や対話につなげるための“道標”となることを目的として人的資本相関可視化ツール(ver.1.0)を開発した。
図1
□開発したツールを用いて、モデル企業10社(P28参照)の協力の下、定性・定量の両面から共通点と多義性・多様性について調査・分析を行った。

・“社員サーベイ”の結果から、「組織のあり方」や「仕事のあり方」が、社員一人ひとりの幸せや成長に関わる多くの指標と広く正の相関を示すことを確認。
・アウトプット指標においても、経済資本、人的資本の側面で、中小企業一般の値を上回っていることを確認。
図2
・さらに、4社のモデル企業のサーベイ結果の概要をケーススタディとして示し、読み解き方にまで踏み込んで提示。
図3

(3) 今年度以降の取組について

近畿経済産業局では、人的資本相関可視化ツール(ver.1.0)をアップデートし、こうした経営の道標として、より多くの企業や支援現場に拡げていくことを目指す。

また、本プロジェクトの共感・共鳴の輪をさらに広げ、関西を起点に日本の中堅・中小企業における人的資本経営の実践と浸透を実現していくと発表している。

本レポートは、近畿経済産業局HPより確認できる。