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職場環境とモチベーションの関連性を調査 生産性や満足度に直結する要因は空調・音・スペース【イデックスビジネスサービス調べ】

マスメディアン編集部 2025.05.30

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イデックスビジネスサービスは、新年度に出社・部署変更などの業務環境や働き方に変化があった会社員を対象に、「オフィス環境とモチベーション」に関する調査を実施した。会社員の約7割が職場環境を「嫌だ」と感じた経験があり、約9割が「オフィス環境の改善がモチベーションや企業イメージ向上につながると思う」と回答した。
イデックスビジネスサービスは、新年度に出社・部署変更などの業務環境や働き方に変化があった会社員を対象に、「オフィス環境とモチベーション」に関する調査を実施した。会社員の約7割が職場環境を「嫌だ」と感じた経験があり、約9割が「オフィス環境の改善がモチベーションや企業イメージ向上につながると思う」と回答した。

イデックスビジネスサービスは、新年度に出社・部署変更などの業務環境や働き方に変化があった会社員を対象に、「オフィス環境とモチベーション」に関する調査を実施した。

新年度を迎え、新たな出会いや業務、オフィス環境の変化があった方も多いと考えられる。そんな中、自身が働いているオフィス環境に対してポジティブな印象を抱いている方はどの程度いるのか。また、どのようなオフィス環境が求められ、それらが働くモチベーションにどう関係してくるのだろうか。ポジティブな印象を与えるオフィス環境づくりを考えるため、同社は本調査を行った。

調査結果の要旨は以下の通り。

調査結果の要旨

●約7割の会社員が職場環境を「嫌だ」と感じた経験あり
初めに、「働いているオフィス環境に対して『嫌だな』と感じること」について尋ねたところ、約7割の方が「よくある(24.0%)」「たまにある(49.6%)」と回答した。働いているオフィス環境に対して何らかの不満を感じている方が全体の約7割に上り、日常的に小さなストレスを感じながら働いている様子がうかがえる。

「あまりない」や「全くない」と回答した方は少数で、理想的なオフィス環境は依然として希少であるといえそうである。では、どのような経験からオフィス環境への不満を感じるようになったのか。ここからは、「よくある」「たまにある」と回答した方にうかがった。

「具体的に『嫌だな』と感じた経験」について尋ねたところ、「空調の温度が合わず、体調を崩したことがある(38.2%)」が最も多く、次いで「近くの会話や電話の声がうるさくて集中できないことがある(35.8%)」「休憩スペースが狭く、リラックスできない(31.6%)」となった。

体調に直結する空調問題が最多となり、身体的な快適さが業務に大きな影響を与えることがわかった。また、周囲の騒音や休憩スペースの狭さといった要素は、集中力やリフレッシュ機会を阻害する要因となっており、オフィス設計においては「温度・音・動線」という物理的要素の最適化が欠かせないことが明らかになった。
働いているオフィス環境に対して「嫌だな」と感じることを示す図表
●嫌なオフィス環境トップ、空間面は「うるさい音」や「休憩スペースの不足」、環境面は「不安定なネットワーク環境」
次に、空間デザインに関する「嫌だな」と感じた要因について、引き続き「よくある」「たまにある」と回答した方に聞いた。
空間デザイン面・環境設備面における「嫌だな」と感じた要因を示す図表
「空間デザイン面における『嫌だな』と感じた要因」について尋ねたところ、「音がうるさい・騒がしい(46.5%)」が最多になり、「休憩できるスペースがない/狭すぎる(45.0%)」「空気がこもっている(44.7%)」となった。音や空気といった「見えないけれど確実に影響する」ことへの不満が上位になった。

また、休憩スペース不足も約半数が挙げており、単なる作業場所ではなくリフレッシュできる空間であることの重要性が浮き彫りになったことから、見た目の美しさだけでなく、音や空気といった「感じる要素」への配慮も、快適なオフィスづくりには欠かせないことが明らかになった。

では、オフィスの環境設備面における不満ポイントは何か。「環境設備面における『嫌だな』と感じた要因」について尋ねたところ、「ネットワーク環境(Wi-Fi、電話、共有サーバーなど)が不安定・使いづらい(32.1%)」が最多になり、「多様な働き方(テレワーク等)が選べない(28.6%)」「社員とのコミュニケーションが取りにくい(24.8%)」となった。ネットワーク環境の不安定さは、現代の業務遂行において大きなストレス源であることが改めて示された。

柔軟な働き方への対応不足に不満を感じる方も一定数いるようだが、そのようなオフィス環境で働き始めて、自身の気持ちにどのような変化があったのか。
「嫌だな」と感じるオフィス環境で働き始めたことでの気持ちの変化を示す図表
「そのようなオフィス環境で働き始めたことでの気持ちの変化」について尋ねたところ、「長時間いるのが苦痛に感じるようになった(35.2%)」が最多となり、「職場の空間が嫌でモチベーションが下がる(32.5%)」「毎日の出社が億劫になった(26.3%)」「仕事に対するやる気が出なくなった(25.8%)」となった。

オフィス環境への不満が積み重なることで、精神面にも悪影響が生じている様子が明らかになった。特に、長時間いることの苦痛やモチベーションの低下は、業務効率の低下や離職リスクにも直結しかねない問題である。また、出社が億劫や、やる気が出ないといった回答も見られ、オフィス環境は単なる利便性だけでなく、エンゲージメントにも大きく関与していることが示された。

●オフィス環境の改善がモチベーション向上にも影響か
オフィス環境の改善がモチベーションや企業イメージ向上につながると思う方はどの程度いるのか。再び全員に、「オフィス環境の改善は働くモチベーションや企業イメージ向上につながると思うか」について尋ねたところ、約9割の方が「とても思う(38.8%)」「やや思う(49.3%)」と回答した。大多数が、オフィス環境の改善が働く意欲や企業の印象によい影響をもたらすと認識しているようである。
オフィス環境の改善は働くモチベーションや企業イメージ向上につながると思うかを示す図表
若年層や転職希望者にとって、オフィス環境のよし悪しは企業選びの大きな要素になりつつある様子がうかがえるが、他社のオフィスを見た際にポジティブなイメージを抱いたことはあるのだろうか。「他社のオフィスを見たときに『働いてみたい』等のポジティブなイメージを抱いたことがあるか」を尋ねたところ、約8割の方が「とてもある(28.0%)」「ややある(48.4%)」と回答した。

前の質問で「とてもある」「ややある」と回答した方に、「どのような部分にポジティブな要素を感じたか」を尋ねたところ、「快適な作業環境(57.1%)」「リラックススペースや休憩エリアがある(51.6%)」「カフェ風の共用空間や社内カフェがある(34.9%)」「デザイン性の高い空間(32.8%)」が上位に挙がった。

単にデザインが優れているだけでなく、実際に「居心地がよい」「働きやすそう」と感じることがある方が多いようである。カフェ風の空間など、視覚・感覚的な要素も重視されており、オフィス空間においては実用性と感性の両立が求められていることがわかった。
他社のオフィスを見たときにポジティブなイメージを抱いたことがあるかを示す図表
●新しい職場に導入されていてほしい設備は「使いやすく快適なデスクや椅子」
オフィスをリニューアルする場合はどのようなポイントを導入してほしいと思うのか。再び全員に、「もしオフィスをリニューアルする場合、オフィス環境に導入されていてほしいポイント」について尋ねたところ、「デスクや椅子の使いやすさ・快適さ(42.0%)」「空調や換気の快適さ(41.9%)」「休憩スペースやリフレッシュエリアが整備されている(39.6%)」が上位になった。
オフィス環境に導入されていてほしいポイントを示す図表
リニューアルにおける希望要素は、「快適性の確保」に集中しており、特別な設備よりも、デスクや空調といった日常的に影響を受ける部分の改善が優先される傾向が見られた。これらの回答は、働く時間の質を大きく左右する要素でもあり、オフィス改革の基盤とも言える。

また、パーソナルスペースの整備も求められており、多様な働き方を支える柔軟な空間設計が求められていることがわかったが、オフィスがリニューアルされた場合、どのような働き方を希望するのか。「もしオフィスがリニューアルされた場合、あなたはどのような働き方をしたいか」と尋ねたところ、「リフレッシュスペースで休憩しながらメリハリをつけて働きたい(34.7%)」「より集中できる個室スペースで作業したい(32.9%)」「その日の気分や業務内容に合わせて働く場所を選びたい(ABW)(31.2%)」が上位になった。

ひとつの作業スタイルに固定されるのではなく、状況に応じて選べる柔軟な働き方が求められており、リフレッシュと集中をバランスよく両立できる空間づくりが、社員のパフォーマンス向上につながると考えられる。また、個室スペースの需要も高く、今後は、ABW(Activity Based Working)を含む多様なワークスタイル対応がオフィス設計に求められることがうかがえた。

まとめ

今回の調査で、オフィス環境が従業員に与える影響は、物理的な快適さだけでなく、モチベーションや企業へのエンゲージメントにも直結していることが明らかになった。

オフィスを「嫌だな」と感じたことがある方は約7割おり、空調や騒音、休憩スペースといった基本的な環境要素に対する不満が高く、日々の小さなストレスが積み重なることで働く意欲の低下につながる傾向が見られた。また、ネットワーク環境や柔軟な働き方への対応不足、コミュニケーションが取りにくいことも不満要素として浮かび上がり、長時間いることへの苦痛やモチベーションの低下、出社が億劫、仕事に対するやる気が出ないといった影響を受けているようである。

他社オフィスを見た際に「働いてみたい」といったポジティブな印象を抱いたことがある方も多く、その要因は快適性とリフレッシュ性に集中しており、デザインや設備面での体感価値の向上が求められていることが示された。さらに、リニューアルに求める要素としては、デスクや空調、休憩エリアといった基本的な快適性の確保が重視され、リフレッシュと集中のメリハリをつけた働き方を志向する声も多数あった。

オフィス環境を整えることは、働くモチベーションや企業イメージ向上につながると思う方が大多数いることから、単なる快適性向上に留まらず、社員のモチベーション維持、企業イメージ向上、さらには採用力の強化にも直結する経営課題であることが判明した。

調査概要
「オフィス環境とモチベーション」に関する調査
調査期間:2025年4月22日~24日
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1003人
調査対象:調査回答時に新年度に業務環境や働き方に変化があった会社員(出社・部署変更など)と回答したモニター
調査元:イデックスビジネスサービス
モニター提供元:PRIZMAリサーチ