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6割の企業が「360度評価」導入、主な活用目的は「人材開発」「組織開発」「人事評価・目標管理」【シーベース調べ】

マスメディアン編集部 2023.10.13

  • 人事
シーベースは、企業での「360度評価(多面評価)」活用状況の実態調査結果を発表した。この調査から、6割近くの企業が導入・活用しており、その目的は主に「人材開発」「組織開発」「人事評価・目標管理」であることがわかった。また、「ハラスメント対応への活用」を目的とする企業が、2022年と比べて2割増加した。
シーベースは、企業での「360度評価」の活用状況の実態調査を行い、その結果を10月11日に発表した。この調査は、360度調査を導入している企業の評価者・被評価者1000サンプル、経営者・人事担当者242サンプルをもとに取りまとめたものだ。5月15日から18日の期間にスクリーニング調査を、5月22日から29日の期間に本調査を、インターネット調査で実施している。

調査結果サマリー

・企業の6割近くが導入し、人材開発・組織開発・人事制度運用面で役立てている
全体の6割弱が360度評価を導入しており、大手企業ほど導入率が高まる傾向にあった。

・主な活用目的は「人材開発」、次いで「組織開発」「人事評価・目標管理」。「ハラスメント対応への活用」は2022年と比較すると約20%増加
上位はいずれも組織の要である管理職が密接に関連し、彼らを通じた改善・解決を必要としていることも推察される。また、2022年結果と比較すると「ハラスメント対応への活用」の回答割合が20%ほど増加した。同社は、ハラスメントなどの企業内コンプライアンスに抵触する事件が多々起きている背景が影響していると言及する。

・360度評価の実施意義は、何らかのフォローがあると7割以上が実感し、何もない場合はゼロと差が著しい結果に
研修、強みのフィードバックや読み解きフォローがある場合は7割以上が意義を実感するが、当てはまるがない場合は意義実感割合がゼロとなっている。

・360度評価実施後のフォロー施策があると最大で約8割が効果を実感するが、何もない場合は1割強と大きな乖離
フィードバック・フォローの機会があると効果実感が高まり、ないと著しく低い傾向にあることがわかった。結果の受け止め・解釈支援の機会があるとより「強みの再認識」につながりやすく、定期的に振り返り内省する機会があるとより「改善点への気づき」につながりやすいことも結果から読み取れる。「改善点への気づき」はフォロー施策がある場合は約8割がその効果実感があり、何もない場合は1割強にとどまると、大きな乖離が見られた。

調査結果詳細

従業員規模別 導入率
導入率は全体で6割弱。従業員が多いほど導入率は高まり、5000名以上の企業では66%が導入済み。大企業ほど人材個々の状況が見えにくいため、360度評価を組み込んで可視化していると同社は分析する。
従業員規模別 実施頻度
実施頻度は、年に1~3回と回答した人事担当者が約9割を占めた。「360度フィードバックは定期的・継続的に行って取り組みを積み重ねるもの」という認識が広く定着してきている様子がうかがえる。
360度評価 活用目的
活用目的では、「人材開発」「組織開発」「人事評価・目標管理」がトップ3に挙がった。人事施策として意図する活用範囲の幅広さが見られる。トップ3はいずれも管理職が密接に関連し、管理職のマネジメントを通じた改善・解決を必要としていることも推察される。また、2022年結果と比較すると「ハラスメント対応への活用」の回答割合が2割ほど増加。ハラスメントなどの企業内コンプライアンスに抵触する事件も多々起きている背景が影響していると考えられる。
360度評価 満足している点(人事)
人材開発・組織開発面では「気づきの機会」 「マネジメント層の能力開発」 「組織の風通し効果」「ハラスメント抑制」 、人事制度運用面では「配置転換・異動での参考」「人事評価・目標管理活用」「昇降格での活用」が多く挙がった。
360度評価 不満に感じる点(人事)
360度評価の不満点は運用面で「簡単にできない・労力が多い」「実施目的を理解させにくい」、人事制度運用面で「人事評価・目標管理活用」、人材開発・組織開発面で「気づきの機会」「チーム最適思考へ」が上位となった。
360度評価 実施意義(評価対象者)
全体の意義実感割合は4割強で回答者より1割程度低い。研修、強みのフィードバックや読み解きフォローがある場合は7割以上が意義を実感するが、当てはまるものがない場合は意義実感割合がゼロとなっている。
360度評価 満足している点(評価対象者)
上位には「周囲からの評価・フィードバックが受けられる」 「変革への意識が高くなった」 「信頼関係が向上した」「社内の縦のコミュニケーションが良くなった」が挙がっている。意義や満足を感じている対象者はフィードバックをプラスに捉えていることが見て取れる。その他良いと感じる点は回答者と同様の傾向で双方の認識が近いことがうかがえる。
360度評価 強みの再認識の効果(評価対象者)
研修や読み解きフォロー等があると自分の強みの再認識割合は6割を超えてくるが、何らかのフィードバックやフォローがないとその割合は著しく低くなる。自身の結果を受け止め解釈を支援する機会があると強みの再認識につながりやすいが、それらが薄くなり本人任せになるほど認識するのが難しくなると同社は分析する。
360度評価 改善点の気づきの効果(評価対象者)
実施後の定期的なリマインド、定期面談、コーチング等があると自分の改善点への気づきの割合は7割を超えてくる。しかし、何らかのフィードバックやフォローがないとその割合は著しく低くなる。定期的に振り返り内省する機会があると改善点への気づきが深まりやすいが、それらの機会が薄くなり本人任せになるほど、認識するのが難しくなるのではないかと同社は言及した。