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新入社員育成の鍵は「キャリアの見通し」と「自己効力感の醸成」【JMAM調べ】

 2022.12.19

  • 業界動向
  • 働き方改革
日本能率協会マネジメントセンターは、12月16日、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関する調査報告書「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2022」を公開した。本調査は、2021~2022年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員の計2300名を対象に、2022年6月にインターネット調査にて実施されたものだ。この調査から、新入社員の育成の鍵は「キャリアの見通し」と「自己効力感の醸成」であることがわかった。
日本能率協会マネジメントセンターは、12月16日、新入社員の意識と行動、指導者の指導と育成に関する調査報告書「イマドキ新入社員の仕事に対する意識調査2022」を公開した。本調査は、2021~2022年に入社した新入社員と、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員の計2300名を対象に、2022年6月にインターネット調査にて実施されたものだ。

この調査から、新入社員の育成の鍵は「キャリアの見通し」と「自己効力感の醸成」であることがわかった。調査サマリーと結果概要は以下の通り。

■調査サマリー
・新入社員の75%がジョブ型雇用を歓迎。希望する部署・職種で働けるかどうかが入社に影響する
・業務経験が不足し、キャリア形が描きづらいと感じている
・テレワークは仕事がしやすいと感じる一方、約60%が対面でのコミュニケーションを求めている
・挑戦よりも失敗回避の傾向
・考えが合わない上司とは距離を取る
・仕事や職場への満足度が高い人は多くの支援者を獲得し、今後のキャリアの見通しを立てている
・仕事や職場への満足度が高い人は自己効力感・自己肯定感が高く、挑戦にも積極的

■調査結果
75%がジョブ型雇用を歓迎。希望する部署・職種で働けるかどうかが入社に影響する
多くの日本企業で「ジョブ型雇用(企業があらかじめ定義した職務内容に基づいた働き方)」へ転換が進んでいる。新入社員の本音としては、「ジョブ型への移行は歓迎である」が75%以上で、「自分が希望する部署や職種で働けるかどうかは、入社の意向に影響した」は60%以上だった。新入社員の半数以上が、採用・配置・配属でジョブ型を志向していることがわかった。
【配属後の課題・不安】 業務経験が不足し、キャリア形成が描きづらい
配属1~3カ月後の課題・不安は、「生活リズムがつかめない」が21年入社と比較して順位が大きく上昇した(10位→1位)。2021年の順位が低いのは、配属後の時期が緊急事態宣言、まん延防止等重点措置期間にあたり、在宅勤務割合が高いことが要因の1つに挙げられる。また、コロナ禍前(2019年)と比較すると、仕事内容や業務手順が把握できていないため、業務を通じたキャリア形成や課題認識ができる状態にないことも明らかになった。具体的には「仕事が自分にあっているか」「担当する業務の知識・手順がわからない」「何がわからないのかわからない」などの順位が上昇している。
また、配属から6~12カ月の時期においては、コロナ禍前(2019年)と比較すると「わからないことを聞けない」など、関係性構築やキャリア形成に悩む姿が見受けられる。働く場所の自由度が増したことにより、新入社員が成長していく過程において重要な「学び」や「指導育成」の機会損失が生じて、自社や組織への適応がうまくいっていない様子が伺えた。
【Z世代の働く実態】 テレワークは仕事がしやすいと感じる一方、約60%が対面でのコミュニケーションを求めている
Z世代の働く実態としては、「仕事がしやすいのはテレワーク」という回答が年々上昇し、過半数を超えた。その一方で、「コロナ禍以降はできる限り出社したい」「在宅勤務が増え、直接的なコミュニケーションが減ると困る」「報連相で有効なのは対面でのコミュニケーション」と回答した人がともに60%以上と、対面でのコミュニケーションの機会を求めているようだ。
Z世代の成長意欲】挑戦よりも失敗回避の傾向
Z世代の成長意欲としては、新入社員の70%が「失敗から学ぶことは多いので、恐れずに取り組むことが大切である」と回答している。その一方で、自身に仕事を任された際は「失敗したくないので、責任ある大きな仕事は任されたくない」と半数以上が思っていることがわかった。
また自身の成長については「成長のために挑戦するよりも、無理のない範囲で業務に取り組みたい」と半数以上が回答しており、挑戦よりも失敗回避の傾向が見られる。この結果は、Z世代の入社が本格化し始めた2020年以降、増加傾向にある。

【新入社員による上司・先輩との関わり方】 考えが合わない上司とは距離を取る
新入社員による上司・先輩との関わり方について、新人の約60%が「叱られた後、必死で食らいつこうと思う」と考えている。その一方で、価値観が合わない上司・先輩に対しては約60%が「自分から歩み寄ろうとは思わない」と回答した。
また、「仕事に行き詰った際は、その状況を察してもらい、上司・先輩から話しかけてほしい」と過半数が考えており、指導者側への期待が大きく「他者への働きかけ」は他世代よりも低い結果となった。

【仕事や職場への満足度が高い人の特徴(1)】 多くの支援者を獲得し、今後のキャリアの見通しを立てている
Z世代のキャリア観について、「仕事や職場への満足度が高い人」を同社独自で定義づけをおこない、その特徴を明らかにしている。その結果、 Z世代のうち「仕事や職場への満足度が高い人」は、Z世代全体の回答者結果と比較して「キャリアに対する意識や行動」は最大1.4倍となった。また、「多くの支援者や人脈を獲得し、自律的に行動できているかどうか」も20%以上高い回答割合となっている。
【仕事や職場への満足度が高い人の特徴(2)】 自己効力感・自己肯定感が高く、挑戦にも積極的
「仕事や職場への満足度が高い人」は全体と比較して、「自己効力感・自己肯定感」が30%以上、「強みの理解」が20%以上高い回答割合となった。また、「成長し続けるために、他者からのフィードバックを求め内省している」「現在の仕事以外の領域にも挑戦し、継続的に学習している」など越境学習に関わる意識についても20%以上高い回答割合となった。