マーケティング・営業戦略・広報・宣伝・クリエイティブ職専門の採用支援はマスメディアン【宣伝会議グループ】

  • HOME
  • ニュース
  • 男性育休が進んでいない理由「人員不足」との声が6割。浸透のカギは会社のサポート体制【江崎グリコ調べ】

男性育休が進んでいない理由「人員不足」との声が6割。浸透のカギは会社のサポート体制【江崎グリコ調べ】

 2022.09.15

  • 働き方改革
江崎グリコは、育休取得の経験者および今後取得予定の男女400名に「男性育休」に関する意識調査を、9月12日に公開した。同調査は、8月1日から3日の間、インターネット調査に実施され、男性200名、女性200名から回答を得ている。同調査から、男性の育休支援が進まない理由として「人員不足」という回答が最も多く得られた。続いて「育休を取りたいと声を上げづらい」 、「会社の支援制度が充実していない」があげられ、会社によるサポートが課題と言える。
江崎グリコは、育休を取得した経験者および今後取得予定の男女400名に「男性育休」に関する意識調査を、9月12日に公開した。同調査は、8月1日から3日の間、インターネット調査に実施され、男性200名、女性200名から回答を得ている。調査結果は以下の通り。

<調査結果>
【1】男性育休に関する自社制度の認知度は3割未満。一方で、認知している人の育休取得意向は7割越え。 会社の育休制度が整っており、なおかつ内容が周知されていることが重要。

経験者・予定者であっても、育休の法改正を詳細まで知っていると回答したのは30.5%にとどまる。また、「男性版育休(パパ育休)に関する会社の制度を知っていますか?」という問いに対しても、詳細まで知っているのは25.3%と、3割未満の結果となった。
一方、利用意向について聞いたところ、男性版育休(パパ育休)に関する自社制度について、「詳細まで把握している」と回答した人の積極的な利用意向が73.3%と最も高く、会社の育休制度が整っており、なおかつ内容が周知されていることが重要なカギであることがわかる。
【2】育休取得前に最も不安だったことは、「職場の反応」。その理由として「育休を取得する人が少ない」と感じる人が5割も。また男性は、ハラスメントや嫌がらせに対し、より不安を抱く傾向。男性の育休取得に対する会社の理解や、取得しやすい社内の雰囲気醸成が重要。
育休取得への不安を聞いたところ、実に49.3%が「不安」と回答した。不安に感じる内容として、「職場の反応(58.9%)」、「復帰後の仕事への影響(配置転換、昇進等)(58.9%)」という回答が多く、職場の反応については男性の70.2%が不安に感じていることがわかる。

男女ともの理由としては、「育休を取得する人が少ない(51.3%)」、「会社の制度が整っていない(38.1%)」と感じる人が多く、制度があっても利用しづらい実態や、仕組み自体が整っていないという課題が浮き彫りとなった。また、男性はハラスメントや嫌がらせに対し不安を抱く割合が高く、男性の育休取得に対する会社の理解や、取得しやすい社内の雰囲気醸成が重要と考えられる。
【3】職場復帰後には男性の約5割が「育休取得者に対する理解が生まれた」と回答。また、半数以上が「上司や同僚が取得対象者に協力的」と回答。
休取得前の不安は5割近い結果となりましたが、実際に育休後の職場復帰では「育休取得者に対する理解が生まれた」と回答したのが全体の35.3%、特に男性は45.0%という結果となった。
また、育休を取得した際の職場の雰囲気は、「上司が取得対象者に協力的(65.5%)」、「同僚が取得対象者に協力的(54.1%)」と半数以上が、周囲が好意的だったと感じていることがわかる。一方、「制度はあるが育休取得に申し訳なさを感じて取得しづらい(16.2%)」、「制度はあるが人員不足で取得しづらい(15.4%)」など実際の経験者でも肩身の狭い思いを強いられている人たちがいる現実も浮き彫りとなった。
育休の復帰後ネガティブに感じた要素でも、「時間が足りない(37.8%)」の次に、「急な休みなどで肩身の狭い思いをしている(23.5%)」と続くことから、復帰後も一定数の人が子育てにおける職場の課題を感じていることが明らかになった。

【4】男性育休に対する満足度は、取得者本人の6割以上、パートナーの約6割が、高い満足度を示した。約8割が「パートナーと協力し、子ども・家族との時間を大切に過ごせた」と回答。
育休取得者は男女ともに満足度が高く、約6割の結果となった。なかでも男性は「パートナーと協力し、子ども・家族との時間を大切に過ごせた」と回答する人が79.7%にものぼる。そのほか、「子育てに集中できた(60.9%)」、「家事(料理・掃除等)を十分に行えた(56.5%)」と本来の育休の目的を果たせている人が多く見受けられた。
また、「資格取得など自身のキャリアに活きるスキルアップができた(9.4%)」、「自身のキャリアを見直せた(5.8%)」と一定数、仕事への意識・新しい挑戦のきっかけにもなることがうかがえた。
【5】職場の女性の育休支援が進んでいるのは7割以上。一方で、男性育休支援が進んでいると回答したのは約4割。男性の育休支援が不十分と回答した理由は、「人員不足」、「育休を取りたいと声を上げづらい」 、「会社の支援制度が充実していない」。
昨今、男女ともに育休推進企業も増えているなかで、女性の育休支援が進んでいると回答したのは71.6%と高い結果が出た。その一方で、男性の育休支援が進んでいると感じる人はわずか38.8%と大幅に下回る結果となった。
男性の育休支援が進んでいない理由として、「人員不足(62.0%)」が最も多く、次いで「育休を取りたいと声を上げづらい(53.5%)」、「会社の支援制度が充実していない(43.0%)」、「制度はあるが実態として取得が難しい環境(41.5%)」と続いた。充実した育休取得のためにも、会社のサポートは今後ますます重要になってくると考えられる。
【6】育休経験者が求める、仕事と育児の両立に必要な会社の支援は“柔軟な働き方“。産休・育休前に知っておきたかったのは“金銭的な情報や経験者の体験談“。
育休を過去に取得した経験者に、産休・育休以外に便利と感じる福利厚生を聞いてみると、「時間単位で取れる有給制度(48.5%)」、「子どもの病児休暇制度(47.8%)」、「フレックス制度(44.3%)」、「リモートワーク制度(41.5%)」などがあがった。子どもが体調を崩した際に、フレキシブルに対応できる制度を求めていることがうかがえる。
また、産休・育休前の社内の子育て研修についてあったらいいなと感じるものについては、「補助金などの制度について(61.3%)」、「出産や育児にかかるお金について(48.3%)」と金銭的な情報や、「育休取得経験者の体験談について(46.5%)」という経験者の生の声も求められていることがわかった。