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世界のCEOは「環境サステナビリティ」に注目、メタバースに対しては6割が懐疑的【Gartner調べ】

 2022.05.30

  • 業界動向
Gartnerは、5月19日、世界のCEOおよび上級経営幹部を対象にした最新の調査結果を発表した。今回、同社がCEOおよび上級経営陣向けて実施するサーベイで初めて、「環境サステナビリティ」がビジネス優先課題のトップ10にランクインした。
米Gartnerは、5月19日、世界のCEOおよび上級経営幹部を対象にした最新の調査結果を発表した。調査結果は、サステナビリティ(持続可能性)、ワークフォース(人材)、インフレ(物価上昇)に対するCEOの考え方が2022年に大きく変化することを示した。

本調査は、2021年7月から12月の間、北米、欧州、中東、アフリカ、アジア太平洋の地域におけるさまざまな業界、売上高、規模の企業を対象として実施。400人以上のCEOおよび上級経営幹部から回答を得た。

【調査サマリー】
●GartnerのCEO/上級経営陣向けサーベイで初めて、「環境サステナビリティ」がビジネス優先課題のトップ10にランクインした。
●CEOの63%は、メタバースについて、自社ビジネスに「適用できないテクノロジー」または「主要テクノロジーになる可能性が非常に低い」と考えている。


同社のアナリスト兼ディスティングイッシュトバイスプレジデントであるマーク・ラスキーノ氏は、本調査を受けて、2022年はCEOの視点が間違いなく変化する年であると述べる。パンデミックは、働き方を変えたいという人々の願望や、長距離のグローバル・サプライチェーンの脆弱性といった、深刻な社会的トレンドを徐々に表面化させたと言及した。

調査結果は以下の通り。

1.メタバースは大半のCEOにとって重要ではない
本調査において、CEO・上級経営幹部は3年連続で「人工知能(AI)」を最も影響を及ぼす新規テクノロジーとして挙げている。一方、「メタバース」は、63%が「自社ビジネスに適用できないテクノロジー」または「主要テクノロジーになる可能性が非常に低い」と回答した。
図1. メタバースに関するCEOの見解
出典:Gartner(2022年5月)
ラスキーノ氏は、影響を及ぼすテクノロジーの残りのリストを見ると、何を新しいとするかは見る人によって違うことが分かると述べた。デジタル化が2位、Eコマースが4位に挙げられているが、これらは相対的に見ればそれほど新しいものではない。しかし、多くのビジネス・リーダーは、これらのテクノロジーを依然として新規性があり、ビジネスに破壊的影響を及ぼすと考えていると言える。

2.環境問題がCEOのビジネス優先課題のトップ10にランクイン
本調査では、CEO・上級経営幹部を対象とした同社の調査で初めて、「環境サステナビリティ」がCEOの戦略的なビジネス優先課題のトップ10にランクインした。環境サステナビリティの順位は、2015年の20位から2019年の14位、今回は8位と大幅に上昇している。CEOの74%は、ESG(環境、社会、ガバナンス)への取り組みを強化することで、投資家にとっての自社の魅力が高まると考えている。

また、2022年から2023年にかけて、プロダクトの新規開発・改善に投資予定と回答したCEOの割合は80%に及んだ。そのような投資の必要性を高めている要因として、「環境サステナビリティ」は、「機能・性能」「一般的な品質」の課題に次いで3番目となっている。また、競争上の差別化要因について、上位2つを尋ねた設問では、CEOは「環境サステナビリティ」と「自社ブランドへの信頼」を同等レベルに挙げた。

3.CEOはインフレを恒常的な課題と捉えている
CEOの62%は、一般的なインフレを恒常的な課題もしくは長期的な課題と捉えている。そして、これに対する最大の対応策について、「生産性向上と効率化」と回答したのは22%、値上げと答えたCEOが51%となった。同社のラスキーノ氏は、CEOの間でインフレの影響に対する若干の気の緩みが見えると言及した。競争差別化の源泉の上位2つを尋ねた際、価格を挙げたCEOはわずか3%。インフレによる悪影響が続くと、状況は急変するとGartnerは見込んでいる。