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経営幹部と従業員の期待の間で板挟み…ハイブリッドワークを成功させる秘訣とは?【マイクロソフト調べ】

マスメディアン編集部 2022.04.01

  • 働き方改革
マイクロソフトが3月16日に発表した30カ国31000人を対象としたハイブリッドワークに関する調査によると、53%の人々が仕事よりも健康やウェルビーイングを優先するようになったことがわかった。
3月16日、マイクロソフトは、2022 Work Trend Index“大きな期待:ハイブリッドワークを成功させるには”を公開した。

第2回目となる同調査では31カ国、31000人を対象にした調査結果に加えて、Microsoft365から収集された生産性に関するシグナルと、LinkedInの求人市場トレンドの分析結果などから得られた知見を紹介している。企業や組織の経営幹部による今後の計画や、従業員が雇用主に求めるもの(退職もしくは残留の動機となるもの)、オフィスでの体験に求めるもの、価値のある働き方の実現におけるテクノロジーの役割などについて、現場から経営幹部までさまざまな角度から意見を聞いた。

今回の調査から得られた主な知見は下記の通り。

1. 従業員は新しい「価値の方程式」を持つ
仕事のやり方、場所、時間、さらには、理由が変化している。仕事に何を求め、仕事のために何を犠牲にするかという人々の考え方が変化している。マイクロソフトの調査から、53%の人々が仕事よりも健康やウェルビーイングを優先するようになったことがわかった。これは空言ではない。昨年、回答者の18%が退職しているのだが、Z世代とミレニアル世代の52%が今後1年間に転職を検討する可能性があり、グレートリシャッフル(GreatReshuffle、大量転職時代)がまだ終わらないことは明らかだ。
[日本の傾向]
・日本の従業員の37%が、パンデミック前と比較して仕事よりも健康やウェルビーイングを優先する傾向が強まったと回答(グローバル平均:53%)
・日本の従業員の12%が、過去1年間に実際に仕事を辞めたと回答(グローバル平均:18%)
・日本の従業員の33%が、今年中の転職を検討する可能性がやや高い、または非常に高いと回答(2021年:38%、グローバル平均:43%)
・日本のZ世代とミレニアル世代の44%が、今年中の転職を検討する可能性がやや高い、または非常に高いと回答(2021年:49%、グローバル平均:52%)

2. マネージャーは、経営幹部と従業員の期待の間で板挟みになっていると感じている
このような従業員の新たな期待に応え続けることは容易ではない。そして、それはマネージャーなしには不可能だ。マネージャーは、従業員と最も近い距離にいるため、問題や解決策を最も理解している人材だ。ただ、せっかくの知見も、マネージャーが行動できなければ意味がない。たとえば、マイクロソフトの調査に見られるような従業員が柔軟性を求める声は否定できないものの、リーダーの50%が今年、対面式オフィスへの完全な復帰を計画していると回答している。この緊張関係はマネージャーにも及んでいる。マネージャーの54%が、経営幹部の行動が従業員の期待とずれていると感じ、74%が自分のチームに変化をもたらすために必要な影響力やリソースを持っていないと感じている。そのような問題を解決し、マネージャーがチームをリードできるようにすることが、誰にとってもより良い結果をもたらすだろう。
[日本の傾向]
・日本のマネージャーの65%が、自分のチームのための変革を行いたいが、十分な影響力とリソースがないと回答(グローバル平均:74%)
・日本のマネージャーの61%が、自社の経営幹部の行動が従業員の期待とずれていると回答(グローバル平均:54%)
・日本のビジネスリーダーの45%が、リモートワークやハイブリッドワークへの移行以来、生産性に悪影響が出ることを懸念(グローバル平均:54%)
・日本の従業員の71%が、1年前と比較して生産性が同等かそれ以上になったと回答(グローバル平均:81%)
・日本のビジネスリーダーの42%が、今後1年以内に従業員にフルタイムでの対面勤務を求める予定であると回答(グローバル平均:50%)
・日本の従業員の31%が、今後1年間にリモートワークまたはハイブリッドワークへの移行を検討(グローバル平均:52%)

3. リーダーは、通勤に見合う価値のあるオフィスを用意する必要がある
今日、ハイブリッドワーカーの38%が、いつ、何のためにオフィスに出社すべきかを知ることが最大の課題であると答えているが、ハイブリッドワークのためにチームで新しいルールを設定したリーダーは28%に過ぎません。また、43%のリモートワーカーが、会議に参加しているという感覚がないと感じているが、全員が参加意識を持てるようにハイブリッド会議のエチケットを作成したと答えたリーダーはわずか27%だった。今こそ、オフィスの役割を見直し、「誰が」「どこで」「何のために」対面して集うのかを意識的に考えるべき時だ。このような新しい組織文化の規範があれば、オフィスが従業員の体験に貢献できるようになり、すべての従業員が同僚とのつながりを感じつつ、革新的で最高の仕事をすることができるようになる。
[日本の傾向]
・日本のビジネスリーダーのうち、ハイブリッドワークに関するチームのルールを設定し、オフィスに行く理由や時間を定義しているのは24%(グローバル平均:28%)
・日本のハイブリッドワーカーの40%が、リモートワークと対面業務の使い分けが最大の課題であると回答(グローバル平均:38%)

4. 柔軟な働き方は「常時オン」を意味しない
Microsoft365の生産性関連の傾向を分析すると、会議やチャットが増加傾向にあり、従来の9時から5時までの勤務時間の枠を超えて頻繁に行われていることがわかる。実際、平均的なMicrosoftTeamsユーザーの週あたり会議参加時間は2020年3月と比較して252%増加し、時間外および週末の作業時間はそれぞれ28%、14%増加している。昼食時の会議を減らすなど、人々が自分のニーズに合わせて1日の過ごし方を変えているのは素晴らしいことだ。しかし、柔軟な働き方を持続させるためには、マネージャーは新しい規範を作り、24時間365日働き続けることが無いような境界線を設定する必要がある。
[メタバースが職場にやってくる]
仕事における先進的なテクノロジーについても質問した。
・従業員の52%が、今後1年間にメタバース内のデジタル没入型スペースを会議やチーム活動に使用することに前向き
・従業員の47%が、今後1年間に会議で自分をアバターとして表現することに前向き
・Z世代の51%、ミレニアル世代の48%が、今後2年間に仕事の一部をメタバースで行うことを想定
・従業員の16%が「メタバース内で仕事を行うことはない」と回答
・従業員の13%が「メタバース」という言葉の意味がわからないと回答

リーダーは、メタバースやAIなどの新しいテクノロジーが、分散した仕事の世界で、どのようにしてコラボレーションを強化し、共創や創造性を促進するかを検討する必要がある。
[日本の傾向]
・日本の従業員の38%が、今後1年間にメタバース内のデジタル没入型空間を会議やチームの集まりに利用することに前向き(グローバル平均:52%)
・日本の従業員の38%が、今後1年間に会議において自分をアバターとして表現することに前向き(グローバル平均:47%)

5. ハイブリッドな世界では社会的資本の再構築は異なる様相になる
リモートワークで最も痛感するのは人間関係に与える影響だ。昨年のWorkTrendIndexでは、チームの縦割り化が進んでいることが明らかになったが、今年の調査では、その1年後のトレンドを明らかにしている。ハイブリッドワーカーの過半数(58%)がチームの絆を維持できている一方で、直属のチームとの関係が良好であると答えたリモートワーカーは半数しかおらず、チーム外の人々との関係が良好であると答えた人はさらに少ない(42%)ことがわかった。ハイブリッドな世界では、人間関係構築の時間を優先し、取り残されるリスクの高いリモートワーカーや入社したばかりの社員へのサポートを強化することが重要だ。
[日本の傾向]
・日本のハイブリッドワーカーの33%が、今後1年間に完全なリモート化を希望(グローバル平均:51%)
・日本のハイブリッドワーカーの57%がハイブリッドワーク移行前よりも職場での孤独感が強まったと回答し、日本のリモートワーカーの36%も同様に回答(グローバル平均:ハイブリッドワーカー:55%、リモートワーカー:50%)
・日本のハイブリッドワーカーの55%がハイブリッドワーク移行後、仕事上の友人関係が少なくなったと回答し、日本のリモートワーカーの41%も同様に回答(グローバル平均:ハイブリッドワーカー:59%、リモートワーカー:56%)
・日本のビジネスリーダーの40%が、従業員がハイブリッドまたはリモートで働く場合の最大の課題が人間関係の構築であると回答(グローバル平均:43%)
・日本のビジネスリーダーの47%が、新入社員がハイブリッドワークやリモートワークで成功するために十分なサポートを得られていないことを懸念(グローバル平均:62%)
・パンデミック期間に採用された日本の従業員の43%が、今後1年間に退職を検討(グローバル平均:56%)