「企業メッセージ調査2021」評価が高まった企業メッセージの要素に、 「食」「パーパス」「サステナブル」【日経BPコンサルティング調べ】
マスメディアン編集部 2021.09.29
- 業界動向
日経BPコンサルティングは、9月29日、「企業メッセージ調査2021」の結果をまとめ、調査結果報告書を発行・発売した。国内241社の企業メッセージ360件を認知率、理解度、好感度のほか、17項目のイメージなど様々な角度から、一般生活者が評価した。
【調査結果のポイント】
・「企業名想起率」では、耳に残るジングル付きのメッセージが、高い想起率を得やすい。
・高く評価された企業メッセージとして、「食」「パーパス」「サステナブル」関連が多くみられた。
【調査結果データ】
■企業名想起率 トップ3は前回と同じ顔ぶれに。
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」「ココロも満タンに コスモ石油」「お口の恋人」
【調査結果のポイント】
・「企業名想起率」では、耳に残るジングル付きのメッセージが、高い想起率を得やすい。
・高く評価された企業メッセージとして、「食」「パーパス」「サステナブル」関連が多くみられた。
【調査結果データ】
■企業名想起率 トップ3は前回と同じ顔ぶれに。
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」「ココロも満タンに コスモ石油」「お口の恋人」

「企業名想起率」(メッセージのみを提示してその企業名の記入を求めた時、正しく記入できた一般生活者の比率)のトップ3の結果は前回と同じとなった(表1)。首位はファミリーマートの「あなたと、コンビに、ファミリーマート」、2位はコスモエネルギーホールディングスの「ココロも満タンに コスモ石油」、3位はロッテの「お口の恋人」だった。なお、メッセージ中に企業名を推測できる言葉や企業名そのものが入っている場合、その部分を伏せ字にして提示した。企業名想起率の全体平均は5.0%。企業名想起率が50%を超えたのは360メッセージ中、わずか5件(上記トップ3のほか、「コーヒーギフトはAGF」(味の素AGF)、「新製品が安いケーズデンキ」(ケーズホールディングス))となった。「あなたと、コンビに、ファミリーマート」「ココロも満タンに コスモ石油」「コーヒーギフトはAGF」「新製品が安いケーズデンキ」の共通点は、ジングル(音声、曲)が付いていること。企業メッセージを浸透させるにあたり、ジングルをつけることで、記憶に残るようにすることが有効だと考えられる。
■目的に合わせたメッセージがセット好感度の上位を占める
■目的に合わせたメッセージがセット好感度の上位を占める

企業名とメッセージをセットで提示して、この企業がこのメッセージを伝えることに好感が持てるかどうかを尋ねる「セット好感度」のトップ20では、「おいしい」「野菜」など、「食」に関するメッセージが多い。(表2)。昨年から新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が続いたり、外食が制限されたりするなか、食に関する身近な言葉を含むメッセージが注目を集め、高評価を集めたようだ。トップ3をみると、カゴメのメッセージが2つランクインしている。3位の「野菜をとろう あと60g」は2020年から発信を始めた一方で、首位の「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」のメッセージの発信は、2003年から続いている。長期的に発信を続けるブランド・ステートメントとともに、時代に合ったメッセージを発信し、ともに好感度が高いという結果となった。
また、上位のメッセージには「水」「北海道」など、企業の事業内容やその企業ならではの関連した言葉が含まれていることが多い。これにより、企業とメッセージに一体感が生まれ、好感度が高くなるようだ。また、セット好感度のトップ3は、理解度のランキングにおいても高順位である。セット好感度の首位の「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」は理解度が5位、2位の「水と生きる SUNTORY」(サントリー)は理解度9位、3位の「野菜をとろう あと60g」は理解度1位である。これらのメッセージは、企業と伝えようとしているメッセージが一致していて好感を持たれ、かつ、適切に理解されているメッセージといえる。
■「サステナブル」の浸透が高まる
また、上位のメッセージには「水」「北海道」など、企業の事業内容やその企業ならではの関連した言葉が含まれていることが多い。これにより、企業とメッセージに一体感が生まれ、好感度が高くなるようだ。また、セット好感度のトップ3は、理解度のランキングにおいても高順位である。セット好感度の首位の「自然を、おいしく、楽しく。KAGOME」は理解度が5位、2位の「水と生きる SUNTORY」(サントリー)は理解度9位、3位の「野菜をとろう あと60g」は理解度1位である。これらのメッセージは、企業と伝えようとしているメッセージが一致していて好感を持たれ、かつ、適切に理解されているメッセージといえる。
■「サステナブル」の浸透が高まる

前回の結果と比較して、理解度やメッセージ認知率が上昇しているメッセージの特徴の一つに、「サステナブル」の要素を含むと思われるメッセージがある。例えば、理解度が上がったメッセージは、「サステナビリティを暮らしの”あたりまえ”に」(ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス)、「人と地球がともに豊かになる社会をめざして &EARTH」(三井不動産)がある(表3)。

メッセージ認知率が上がったメッセージは、「未来にタネをまこう。」(ジャックス)、「トマトの会社から、野菜の会社に。」(カゴメ)、「人も地球も健康に」(ヤクルト本社)などである(表4)。目先だけではなく、未来にも目を向け、また地球規模単位で、考えるという姿勢が見受けられる。とくに、「サステナビリティを暮らしの”あたりまえ”に」は理解度、好感度、セット好感度のすべてにおいて、上昇スコアが1位である。サステナブルという概念やその理解が、徐々にではあるが、浸透していることがうかがえる。今後、企業メッセージを、企業のパーパス(社会的な存在意義)やビジョンなどを凝縮したものとしてとらえると、自社が訴求したいことを、短いメッセージのなかで適切な言葉を用いて、いかに組み込むかが重要となってくるだろう、と日経BPコンサルティング社は予想している。
同調査は、2021年7月26日~8月2日の期間、メール配信によるインターネット調査により実施された。回収数は26381件。
同調査は、2021年7月26日~8月2日の期間、メール配信によるインターネット調査により実施された。回収数は26381件。