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「動画広告をきっかけに商品を購入したことがある」人はわずか2割【ネオマーケティング調べ】

マスメディアン編集部 2021.01.14

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ネオマーケティングの調査によると、動画広告の内容が「自分向けだと感じたことがある」人の割合は3割程度、動画広告をきっかけとして「商品を購入したことがある」人は2割程度であることがわかった。
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行うネオマーケティングは、20歳~69歳の男女1000人を対象に「動画広告の接し方」をテーマにしたインターネットリサーチを実施し、その結果を発表した。

YouTube等の動画共有サイトの利用が増える中、WEB上での動画広告は企業のマーケティング活動にとって、なくてはならない存在になりつつある。更に新型コロナウイルスの流行によって、マーケティングの投資先として動画広告の注目度は更に上がっている。

まず、観た動画広告の内容が【自分向けだと感じる】ことはどの程度あるか聞いたところ、「ほとんど感じない」と回答した方が67.8%だった。今後はいかに各個人に適した動画広告を流せるかが重要となってくると考えられる。
観た動画広告の内容が【自分向けだと感じる】ことはどの程度あるか?
また、動画広告をきっかけに一回以上商品を購入した方は17.7%と、2割弱という結果になった。動画広告の場合、動画を観た直後でなくても、その後にもたらされる効果もある。いかに自分向けの広告だと認識してもらえるか、また、好印象を抱いてもらえるかが、商品購入に結び付く大きな要素となるだろう。

動画配信サービスで動画広告を目にした際に、途中でスキップをするかについて質問したところ、「必ずスキップする」「スキップすることが多い」という回答が全体の9割以上を占めており、ほとんどの視聴者が動画広告を途中でスキップしていることが分かる。動画広告はその課金方式によって、スキップされた場合は課金対象外とすることもでき、費用対効果という面でリスクを回避することも可能だ。ただし、生活者の行動傾向を理解したうえで、実際に広告認知が見込める数は予測しておく必要がある。
Q1.あなたは、動画配信サービスで動画広告を目にした際に、途中でスキップをしますか。あてはまるものをお答えください。(単数回答)【n=1000】
続いて、動画広告がスキップできるようになるまでの行動について質問したところ、「広告をしっかり観ることが多い」という回答は8.0%「他の事をすることが多い」という回答は27.9%となった。一方で「ただ待っていることが多い」という回答は64.1%となり、広告の内容によっては興味喚起され行動を起こす可能性がある層だと言える。「他の事をすることが多い」という回答も27.9%と一定数存在する。「ただ待っていることが多い」と回答した層とは異なり画面から離れてしまうので、いかに広告の冒頭で興味を惹くことができるかがカギとなる。
Q2.動画広告がスキップできるようになるまで、あなたの行動に当てはまるものをお答えください。(単数回答)【n=998】
動画広告についてどう思うかという質問には、「好き」「どちらかといえば好き」という回答は8.5%である一方、「嫌い」「どちらかといえば嫌い」という回答は64.2%となった。動画広告そのもののイメージはあまり良くないようだ。
Q3.あなたは、動画広告についてどう思いますか。あてはまるものをお答えください。(単数回答)【n=1000】
動画広告の嫌いな点について質問したところ、「本編の動画を邪魔される点」という回答が81.9%と最も多い結果となった。「興味がない商品・サービスの広告が流れる点」、「何度も同じ広告が流れる点」、「広告自体面白くない点」と続くことから、自分の興味のある内容で目新しい動画広告であれば、嫌悪感は持たれにくいと考えられる。「広告自体面白くない点」は37.5%で4割弱となったが、本編動画を遮る形で再生されるという広告の性質上、それだけで不快度が高いため動画広告自体に対する評価が厳しくなっているのかもしれないとネオマーケティングは分析している。

動画広告のROIという観点とは別に、生活者を尊重するという点で、スキップを可能にする、ターゲットを絞って配信するなどの設定が重要だと考えられる。動画広告の内容やターゲティングなどを検討し、One to Oneのコミュニケーションを行っていくマーケティングが求められていることがわかる。
Q4.あなたの、動画広告の嫌いな点は何ですか。あてはまるものをすべてお答えください。(複数回答)【n=642】
動画広告はその動画の内容によって、ブランド/企業/商品の認知を獲得したり、興味喚起を行ったりする効果が期待できる。観た動画広告の内容により、そのブランド/企業/商品への印象が良くなったことが「ある」「たまにある」と回答した方は26.6%と、全体の約4分の1という結果となった。
Q5.あなたは、観た動画広告の内容により、そのブランド/企業/商品への印象が【良くなった】ことがありますか。(単数回答)【n=1000】
また、印象が【良くなった】動画広告について、それはどのような内容だったかを具体的にお答えください。(自由回答)【n=266】
印象が良くなった理由について具体的に質問すると、ストーリー性があるものやメッセージ性の強いもの、自分向けで、かつ知らなかった情報を知ることができる内容のものが挙がった。また、良い音楽や視聴者の好きなタレントを起用しているものは好まれている傾向にあることが分かる。

【一部抜粋】
・最初はただの広告だと思っていたが、ストーリー性がある話で見入ってしまった(女性、20代)
・英会話関連の広告で内容が自分向けに感じてめずらしくちゃんと見てしまった(女性、30代)
・ポイントアップのキャンペーンを知れた(女性、30代) ・英語の勉強法のCMで本当に効果的だと思って関心したことがあった(男性、40代)
・ドラマのような作りで見ごたえがあった(男性、30代)
・堅いイメージだった企業が自分が好きなタレントを起用して面白い広告動画を作っていた(男性、20代)
・具体的には思い出せないが、興味なかった企業のCMに好感を持つタレントを起用し、コミカルなCMに仕上がっていたりするとイメージも変わる(男性、40代)
・コロナに打ち勝つメッセージが伝わってきた(男性、20代)
・ダイエットサプリの広告で漫画になって面白かった(女性、30代)

動画広告の内容によって、そのブランド/企業/商品の印象が良くなった場合、どのような行動をとったことがあるかという質問に対しては、「そのブランド/企業/商品についてインターネットで検索した」という回答が45.9%と最も多く、次いで「そのブランド/企業/商品についてSNSで検索した」が18.0%、「そのブランド/企業/商品についてクチコミを調べた」が12.4%、となっている。動画広告を観た後、検索をして追加の情報を入手しようとする方が多いことがわかる。動画広告の効果を表す指標の一つとして、動画広告視聴後の検索は外せない要素と言えるだろう。また、動画広告視聴後に家族・知人との話題にしたり、SNSで自ら発信したりする視聴者もいる。昨今、口コミやSNS投稿などのユーザー自身が生み出すコンテンツの広がりが重視されている中、これらの行動も企業として意識していく必要がある。
Q6.観た動画広告の内容によりそのブランド/企業/商品の印象が【良くなった】ことがあると答えた方にお聞きします。あなたは、その動画広告を観た後に、どのような行動を起こしたことがありますか。(複数回答)【n=266】
観た動画広告の内容により、そのブランド/企業/商品の印象が悪くなったことがあるかという質問には、「ある」「たまにある」という回答が45.6%となっており、動画広告の内容によってブランド/企業/商品の印象が悪くなった経験を持つ方は、印象が良くなった経験を持つ方に比べて多い。
Q7.あなたは、観た動画広告の内容により、そのブランド/企業/商品の印象が【悪くなった】ことがありますか。(単数回答)【n=1000】
また、印象が【悪くなった】動画広告について、それはどのような内容だったかを具体的にお答えください。(自由回答)【n=456】
その理由は、しつこい、うるさいと感じるからや、商品と広告のストーリーとの関連性が薄いから、嫌いなタレントが起用されているから、誇大表現と思われるからなどが挙がった。また、広告の声の大きさや広告のタイミング等の不適切さに不快感を覚える意見もあった。

【一部抜粋】
・曲やフレーズがくどい物(女性、20代)
・使われている曲が耳障りだったり、同じ事を繰り返されたりするのが苦手(女性、50代)
・商品の勧誘で信憑性の低い印象だった(男性、60代)
・何度も同じ広告が表示されたり、広告内容が疑わしいものは不信感を覚える(男性、30代)
・声が大きくしつこい内容だった(男性、60代)
・過剰な効能を表す画像で見ていて不快になった。実際の内容と差異のあるアプリ広告は企業への不信感が募る(女性、30代)
・子供向けのおもちゃの広告だったが、ラブストーリーを観ていたので 現実に引き戻されてしまいタイミングが悪く印象が下がった(女性、40代)
・嫌いなタレントが出ていたのが不快だった(男性、50代)

観た動画広告の内容が自分向けだと感じることはどの程度あるか聞いたところ、「ほとんど感じない」が67.8%だった。Q4で動画広告の嫌いな点として「興味がない商品・サービスの広告が流れる点」と回答している方が59.5%いることからも、いかに各個人にパーソナライズした広告を届けられるかが今後の広告効果へつながるカギとなっていくだろう。
Q8.あなたは、観た動画広告の内容が【自分向けだと感じる】ことはどの程度ありますか。(単数回答)【n=1000】
動画広告を観たことがきっかけとなり、商品を購入したことはあるかについて質問したところ、「全くない」が82.3%と多くを占めたものの、動画広告をきっかけに一回以上商品を購入した方は17.7%と、2割弱という結果になった。いかに自分向けの広告だと認識してもらえるか、また、好印象を抱いてもらえるかが、商品購入に結び付く大きな要素となるだろう。
Q9.あなたは、動画広告を観たことがきっかけとなり、商品を購入したことはありますか。(単数回答)【n=1000】
調査はネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWebアンケート方式で、2020年12月23日~24日の2日間、実施された。対象者は20歳~69歳の男女で、有効回答数は1000名。