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電通が「ライフシフトプラットフォーム」でつくる個人・企業・社会の新しい関係性

マスメディアン編集部 2020.12.01

  • 働き方改革
  • 業界動向
電通は、2020年11月、「ライフシフトプラットフォーム」の立ち上げを発表した。その構想を具現化するために設立された新会社「ニューホライズンコレクティブ」は、2020年1月に事業を開始する。希望者は電通を退職したうえで個人事業主となって業務委託契約を結び、業務提供を受けるというもの。40歳~60歳のミドル社員が対象となる。人生100年時代の到来が予測されるなか、年齢にとらわれずに働き続けるためのスキルアップの機会提供、また電通社員としては実現できなかった挑戦の後押しが目的だ。
電通は、個人が年齢にとらわれず、社会の変化に柔軟に対応しながらいきいきと働いていくための新しい選択肢として「ライフシフトプラットフォーム(LIFE SHIFT PLATFORM)」(以下LSP)の立ち上げと、その構想を具現化するための新会社「ニューホライズンコレクティブ(New Horizon Collective)合同会社」(以下NH社)の設立を発表した。NH社は、2021年1月より事業を開始する。

LSPは、個人が、"一企業"ではなく"社会"において活躍する場を最大限に広げるための仕組みだという。また同時に、個人・企業・社会が柔軟につながる、これからの時代の新しい関係性を構築していくことを目指している。

具体的な手順としては、参加を希望する社員は、退職したうえで個人事業主となり、NH社と業務委託契約を結ぶ。今回は、新卒入社の場合は勤続20年以上、中途入社の場合は勤続5年以上かつ40歳以上であり、かつ60歳未満の「ミドル社員」が対象となった。契約開始後10年間は、業務提供が保証される。また、報酬は電通勤務時の給与をもとに算出され、インセンティブ報酬と固定報酬の2種類で支払われる。個人事業主が生み出した事業利益は、一定の割合で電通と個人事業主に配分され、契約年月の経過とともに個人事業主に配分される割合が大きくなる。次第に成果報酬の割合を大きくすることで、個人事業主となった後のスキルアップを促し、契約終了後の自立をサポートするねらいだという。
背景には、人生100年時代の到来がある。人生100年時代においては、「学業→仕事→老後」の3ステージのうち、「仕事」の部分が長くなると想定される。定年に関係なく、長く自立的に働くためには、「学び直しの場や時間」、「複数の仕事に取り組める環境」、「新しい事業にチャレンジする機会」などを持てることが重要となる。LSPでは、特に40代以上のミドル社員に対して、安定した報酬を得ながら、個々人で「これまでとは全く別分野だが、ずっとやりたかったこと」や「なかなか踏み出せなかった新しい事業」などに取り組むことができる環境を提供する。

電通は、「人生100年時代に、社員それぞれに長くいきいきと働き続けてもらうことは、当社のみならず、超高齢社会である日本全体の課題」という認識のうえで、LSPの事業基盤が確立したのちには、グループ会社や国内の他企業との連携も図っていく。

2017年には、健康機器メーカーのタニタが「日本活性化プロジェクト」として、従業員の希望に応じて雇用形態を正規雇用から個人事業主に切り替える制度を導入している。こちらはミドル社員に限らず、希望する社員全員が適用対象となるが、個人事業主化によって社員がより主体性を発揮できるようにするという目的は共通だ。また、ヤフー株式会社の「ギグパートナー募集」など、正規雇用以外の形態で社内外の人材を獲得しようとする動きも活発になっている。働き方、雇用の仕方は今後ますます多様化すると思われる。