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人事領域の最大の課題は「ミドルのマネジメント能力向上」【日本能率協会調べ】

マスメディアン編集部 2020.09.14

  • 働き方改革
日本能率協会は、2020年7~8月に実施した「当面する企業経営課題に関する調査」の結果を発表した。同調査の中で、組織・人事領域の課題について尋ねたところ、第1位には、昨年同様、「管理職層(ミドル)のマネジメント能力向上」(32.9%)が挙がった。また、「多様な働き方の導入(テレワークなど)」を挙げる比率が、昨年より+18.2ポイントと大きく上昇する結果が見られた。
日本能率協会は、2020年7~8月に実施した「当面する企業経営課題に関する調査」の結果を発表した。同調査は、企業が抱える経営課題を明らかにし、これからの経営指針となるテーマや施策の方向性を探ることを目的として、企業経営者を対象に実施しているという。 当初の事業計画に比べた2020年度の利益見込みを尋ねたところ、17.7%の企業が「50%以上減少する」と回答した。「減少する」との回答を合算すると半数以上(54.9%)にのぼる。一方、利益見込みが「増加する」との回答の合計は12.7%となっている。業種別にみると、特に、「輸送用機器」「不動産」「宿泊・飲食・給食サービス」において減益を見込む企業の比率が多くなっていることがうかがえる。
今後の事業活動の対応について尋ねたところ、「重視している」(非常に~やや の合計)の比率が高かったのは、「柔軟な働き方や勤務形態の拡充」(89.6%)、「社内情報システムの強化・拡充」(87.1%)、「営業手法の見直し」(84.1%)、「リスク管理・事業継続計画(BCP)の見直し」(83.8%)となった。その他、「ITを活用した新しい商品・サービス・事業の開発」については、「非常に重視している」が20.3%と高めになっている。コロナ禍を踏まえ、働き方や情報システム、リスク管理などの社内体制を見直すとともに、非対面型の事業活動が迫られるなかで、営業手法の見直しや、ITを活用した商品・サービス・事業の開発に取り組んでいこうとする姿勢が表れているものと考えられる。
組織・人事領域の課題について尋ねたところ、「多様な働き方の導入(テレワークなど)」を挙げる比率が、昨年より大きく上昇するという結果が見られた(8.3%→26.5%、+18.2ポイント)。第1位には、昨年同様、「管理職層(ミドル)のマネジメント能力向上」(32.9%)が挙げられている。また、「組織風土(カルチャー)改革、意識改革」も増加し(30.0%→32.3%、+2.3ポイント)、第2位に上昇している。コロナ禍によって、在宅勤務や時差出勤等が広がるなか、「多様な働き方の導入」が大きな課題となるとともに、新しい働き方のなかでの組織風土改革や社員の意識改革への課題認識が高まっていることがうかがえる。
営業・マーケティング領域の課題において、昨年よりも重視度の高まった項目としては、「ITを活用した効率的・効果的な営業活動」(15.8%→22.2%、+6.4ポイント)、「デジタル技術の活用」(13.5%→17.3%、+3.8ポイント)が挙げられる。また、「顧客ニーズの先取り対応」が昨年より比率を高め(34.0%→36.3%、+2.3ポイント)第1位となっているほか、「顧客との直接(双方向)コミュニケーションの強化」の比率も大きく増加している(13.3%→20.5%、+7.2ポイント)。コロナ禍によって顧客との接触機会が制約されるなか、デジタル技術を活用した営業活動や、顧客ニーズの把握が課題となっていることがうかがえる。
また、購買・調達領域の課題においては、「事業継承計画(BCP)対策・リスクマネジメントの強化」の比率が、昨年より大きく増加する結果となっており(22.9%→32.0%、+9.1ポイント)、コロナ禍によって世界的なサプライチェーンが目詰まりするなか、代替となる購買・調達先の確保など、リスク管理が大きな課題となっていることがうかがえる。
新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた勤務形態や働き方についての対応状況を尋ねたところ、「在宅勤務」については、約5割(47.6%)の企業が、「感染拡大を契機にはじめて実施した」と回答した。「感染拡大前から実施」「感染拡大を契機に適用範囲を拡大」を合わせると、「在宅勤務」を実施している企業は約9割(89.9%)にのぼる。その他、「時差出勤の奨励」「WEB会議・TV会議の活用」についても、感染拡大を契機に「適用範囲を拡大した」「はじめて実施した」企業が多数を占める。社員の安全確保に向けた取り組みが広がっていることが確認できる。

「在宅勤務」の今後の対応については、「継続して実施する」が61.3%、「縮小して実施する」が20.7%となり、8割超の企業が今後も在宅勤務を実施する意向にあることが分かる。
また、社員への対応状況や、社員・職場への影響について尋ねたところ、「社員の働き方や健康・安全に十分に配慮した対応ができたか」については、「当てはまる」との回答(強く~やや の合計)が94.2%にのぼった。社員・職場への影響に関しては、「社員が時間生産性を意識して仕事をするようになった」について、「当てはまる」とする企業が58.7%となっています。一方で、「ストレスを抱える社員が増えた」についても、「当てはまる」が44.9%となっており、半数近くの経営者が、就労環境の変化によって社員がストレスを感じていると捉えていることがうかがえる。社員の健康・安全に十分に配慮した対応ができているとの回答が見られた。
日本能率協会は、新しい働き方が広がるなかで、社員のストレスが高まるなどの弊害に対処するとともに、社員一人ひとりが、より自律的、創造的に仕事を進めることができる職場づくりに向けたマネジメントの進化が求められていると予測している。