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在宅勤務中のマーケター、半数以上が生産性に課題感【アドビ調べ】

マスメディアン編集部 2020.08.25

  • 働き方改革
Adobeが実施した調査によると、日本のマーケターの8割以上が長期化する在宅勤務に不安を感じていることが明らかとなった。また、約半数の回答者がマーケティング支出の削減を予想しており、COVID-19以前の水準に回復するには1年以上かかると考えていることが判明した。
アドビは、「COVID-19禍におけるマーケター動向調査(Maketer Outlook Survey)」を発表した。同調査は、COVID-19による企業マーケティングの変化を明らかにすることを目的に、米国、APAC(オーストラリア、中国、インド、シンガポール)、日本を含めた各国のマーケターを対象に実施されたもの。

今回の調査では、日本のマーケターの8割以上が長期化する在宅勤務に不安を感じていることが明らかとなった。また、約半数の回答者がマーケティング支出の削減を予想しており、COVID-19以前の水準に回復するには1年以上かかると考えていることが判明した。

現在、日本のマーケターのうち66%が在宅勤務で働いており、その半数以上(57%)が自宅で効果的に働くことに課題を感じていると回答した。これは米国(29%)やAPAC(33%)と比較して最も高い数値であり、具体的な課題として、自宅で仕事に適したスペースを設けること(30%)、自宅のIT環境で効果的に働くこと(25%)、仕事とプライベートの線引き(16%)があげられたことから、これまで在宅勤務の環境が整えられていなかったマーケターが、勤務環境の突然の切り替えに苦慮している状況が浮き彫りになった。
また、米国(67%)やAPAC(77%)と比較して、在宅勤務が長期化すると見込んでいる日本のマーケターは多く(83%)、長期的な在宅勤務に懸念や課題を感じている回答者(27%)も多い結果となった(米国:20%、APAC:21%)。企業には、このようなマーケターに対して、オフィス勤務と同等の生産性を実現できるよう、継続的な支援が求められていると言える。

大企業を中心とした約半数(48%)の回答者が、自社にCOVID-19関連のメッセージングやマーケティングキャンペーンを請け負うタスクフォースがあると答えており、過去2~3週間のマーケティングメッセージを見てみると、COVID-19関連(68%)、COVID-19関連以外(63%)、セールスプロモーション(65%)がバランスを取りつつ発信されていることが明らかとなった。
また、COVID-19の感染拡大を受け、マーケターの半数以上(62%)がマーケティングキャンペーンの画像や文言を変更していたことが判明した。人々が接触するビジュアル(64%)や、密接なやり取りを表す表現(52%)についての変更点が最も多く挙げられ、キャンペーンの内容に関わらず、いわゆる「3密」を想起させる要素を避けていたことがうかがえる。
状況に応じて企業メッセージには変更が加えられつつも、これまでマーケティング支出への影響は変化がみられなかった(47%)。ただし、今年後半にかけては、47%にマーケティング支出の減少傾向が見られ、変化なし(35%)や微増(16%)を上回る結果となった。パンデミックによる長期的な経済の減速も予測される中で、企業はマーケティング予算を最大限に活用し、収益に直結させる方法を早急に確立する必要があると考えられる。

COVID-19をきっかけに、オンライントラフィックが増加した企業は41%にすぎず、米国(44%)やAPAC(67%)と比較して最も低い結果となった。トラフィックに変化がみられなかったとの回答は40%にのぼり、調査対象となった地域の中で最も高い数値に達した。 日本の顧客がオンラインだけでなく、店舗や対面でのサービスも重視していることが結果に反映されたと考えられる。
日本のマーケターは今後の見通しについて悲観的な見解を寄せており、他のマーケットと比較して(米国:13%、APAC:6%)、マーケティング投資がCOVID-19以前のレベルに戻るまでに一年以上かかるとの予想が多く集まった(21%)。また、この影響が一年以上に及べば、回答者の大半が長期的な戦略に変更が生じると考えており(79%)、マーケティングチャネルの移行や優先するオーディエンスの変更を含めて、今後のマーケティング計画を変更する予定(82%)と回答している。
今日の社会のように、変化を続ける状況に対応していくためには、オンラインやオフラインに関わらず、顧客体験を総合的に捉え、適切なタイミング、オーディエンス、コンテンツを一貫して実現できるマーケティング戦略が企業の成功の鍵になると言える。

「マーケター動向調査(Marketer Outlook Survey)」は、アドビが調査会社であるAdvanisに委託し、米国、APAC(オーストラリア、中国、インド、シンガポール)、日本のマーケターを対象に実施したオンライン調査で、各国の調査結果は、それぞれ約300人の回答に基づいている。日本の回答者に関する調査データは、2020年6月2日から2020年6月16日にかけて収集された。