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テレビCMにも「新しい生活様式」の影響。2020年7月度放送回数ランキング【ゼータ・ブリッジ調べ】

マスメディアン編集部 2020.08.12

  • 業界動向
データ解析会社のゼータ・ブリッジは、2020年7月度の全国地上波25局、BS放送6局にて放送されたテレビCMの回数を調査し集計した結果を発表した。2020年7月度の商品別ランキングでは、チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド『スーパー自動車保険』が1位となった。“withコロナ”時代における第三者との接触を避ける移動手段として自動車への注目度の高さによる自動車事故増加の抑止策として放送回数を増加させたと考えられる。
データ解析会社のゼータ・ブリッジは、2020年7月度の全国地上波25局、BS放送6局にて放送されたテレビCMの回数を調査し集計した結果を発表した。
2020年7月度 商品別テレビCM放送回数(全国地上波25局、BS放送6局合計)
2020年7月度の商品別ランキングでは、チューリッヒ・インシュアランス・カンパニー・リミテッド『スーパー自動車保険』が1位となった。同商品は6月でも1位となっており、5位のソニー損害保険『ソニー損保の自動車保険』同様、“withコロナ”時代における第三者との接触を避ける移動手段として、自動車への注目度の高さによる自動車事故増加の抑止策で放送回数を増加させたと考えられる。また、2位ソフトバンクと3位KDDIの第5世代通信システム5G関連のCMが大きく放映回数を増やしている。ソフトバンクはハリウッドスターのブルース・ウィリスをドラえもん役として起用した大胆なキャスティング、auはおなじみの三太郎シリーズの新作で、5Gの魅力を訴求している。リモート環境化でのコミュニケーションが定着しつつあり、より高速で快適な通信環境が求められる中、今後各社のユーザー争奪戦が展開されることが予想される。

今回のランキングで注目すべきは、新型コロナウイルスによる「新しい生活様式」への切り替えを表現したクリエイティブだ。前月のランキング外から10位まで順位を上げたリクルートホールディングス『エアペイ』は、店舗でのキャッシャレス対応を促す内容になっており、新型コロナウイルス感染症拡大の防止策として、 非接触決済ができるシステムの導入を店舗側にあらためて提示している。また、19位トリドールホールディングス『丸亀製麺』のお持ち帰り訴求CMや20位出前館の宅配サービスCMのデリバリーサービスは、コロナ禍で定着した生活様式だ。16位ポケモン『ポケンGO』の以前のCMは、外出先での利用の表現が多くみられた。しかし、今回は、7月25・26日に開催された「Pokémon GO Fest 2020」の会場として、自分の部屋・ベランダ・近所の売店など身近な場所がピックアップされていた。コロナ禍で外出できる場所が限られている中でも楽しめる場所は身近にあるということを伝え、マイナスな環境をプラスに変えようというメッセージを企業はテレビCMに込めているものと思われる。

今後、新型コロナウイルス感染症が終息したとしても、人々のライフスタイルや働き方が以前に戻る可能性は低く、同様にテレビCMを含めた企業のコミュニケーション方法も変化をしていくと考えられる。

エリア別ランキングで目立ったのは、コロナ禍で自粛傾向にあった観光施設やアミューズメント施設、イベントCMだ。大阪地区1位の『ネスタリゾート神戸』と4位の『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』、名古屋地区9位の『ナガシマスパーランド』、福岡地区9位の『PIXARのひみつ展 いのちを生みだすサイエンス』、札幌地区1位の『ルスツリゾート』、6位の『ウポポイ(民族共生象徴空間)』など、各地で上位にランクインしている。各企業のCM内容には、マスク着用や入場制限など新型コロナウイルス感染症拡大防止策も含まれているが、少しずつ日常が戻りつつあるのではないかとも読み取れる。
東京
大阪
名古屋
福岡
札幌
BS
同調査は、2020年7月1日~7月31日の期間、全国地上波25局、BS放送6局を対象に、動画認識エンジンを活用したテレビCM自動認識システムにて取得した放送履歴情報を基に調査したもの。