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40年ぶりの労基法改正、企業の50%が内容を十分に把握していない実態【jinjer調べ】

マスメディアン編集部 2026.02.02

  • 労務
  • 人事
  • 働き方改革
2026年に向けた労働基準法の改正により、企業に大きな対応が求められている。jinjerが実施した調査において、企業の50%が改正内容を十分に把握しておらず、企業の多くが対応準備を十分に進められていない実態が浮き彫りになった。
jinjerは、企業の労務担当者計900名を対象に「“40年ぶりの労基法改正”に関する実態調査」を実施した。
40年ぶりの労基法改正、対応が最も難しい項目は「勤務間インターバル制度の義務化」

調査サマリー

サマリー

調査の背景

現在、労働基準法の改正が大きな注目を集めている。当初、2026年3月までの法案提出と同年中の議論進展という具体的なロードマップが示され、40年ぶりの大改正に向けた準備が加速してきた。昨今の情勢により法案提出時期の再検討が報じられるなど流動的な側面はあるものの、検討項目そのものの重要性と企業に求められる抜本的な対応の必要性は変わらない。

本改正で議論されているのは、「14日以上の連続勤務禁止」や「勤務間インターバル制度の義務化」といった労働時間の厳格な規制に加え、「法定休日の特定義務化」や「有給休暇の賃金算定ルールの変更」など、企業経営の根幹に関わる重要項目である。

企業の対応準備の実態を明らかにするため、jinjerは労務担当者900名を対象に調査を実施した。その結果、法改正への対応を阻む「人事データ管理の不備」という構造的な課題が見えてきた。

回答者属性(業種 / 従業員数)

回答者属性
回答者属性

現在議論されている労基法改正の内容について、50%が「聞いたことがある」「知らなかった」と回答。詳細な内容まで把握しているのは20%にとどまる

Q3
40年ぶりの改正と言われる今回の内容について、どの程度把握しているのかを尋ねたところ、詳細まで把握している層はわずか20%にとどまった。一方で、「聞いたことがある(26%)」と「知らなかった(24%)」と回答した企業を合わせると、50%の企業が内容を十分に把握できていない実態が明らかになった。

改正が検討されている主な項目において、対応が最も難しいと感じるものは「勤務間インターバル制度の義務化」という結果に

Q4
改正検討項目のうち、自社での対応ハードルが最も高いと感じるものは「勤務間インターバル制度の義務化(44%)」だった。次いで「副業・兼業者の労働時間通算(30%)」や「法定休日の特定義務化(30%)」が続いている。

「14日連続勤務」が発生しそうになった場合、73%の企業が事前に検知することができない

Q5
「14日連続勤務」の禁止が検討されているが、発生を事前に検知できる仕組み(予兆検知)を持つ企業は28%にとどまった。残りの73%は「月末の締め作業での事後検知(37%)」や「特にチェックする仕組みがない(19%)」、「自己申告・上長の記憶頼み(17%)」となっており、法違反を未然に防ぐ体制が不十分であることが明らかになった。

勤務間インターバル制度へ対策を進めているのは55%という結果に。約45%は「ルールの呼びかけにとどまる」あるいは「特に対策していない」と回答

Q6
現時点における勤務間インターバルへの対応について尋ねたところ、「特に対策やルールがない(27%)」、または「ルールはあるが個人の意識に任せている(20%)」という回答が合わせて47%に上った。システムで対策している企業や具体的な制度導入を進めている企業はまだ限定的であることが伺える。

休日出勤が発生した際の「法定休日」と「法定外休日」の判別・集計に関して、40%の企業がシステム上で自動で対応できると回答

Q7
休日出勤時の割増率判定において、システムで自動判別できている企業は40%にとどまった。一方で、35%の企業は依然として「人事担当者による目視と事後修正」を行っているという結果になった。

有給休暇取得時の賃金について、法改正によって「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」へ統一された場合の対応方法について、現状の「システムで対応可能」と回答したのは45%

Q8
賃金算定が「通常の賃金」へ統一された場合、「現状のシステムで対応可能」と回答した企業は45%だった。しかし、「手入力での対応が必要(33%)」や「現状のシステムでは対応不可(22%)」とする企業も多く存在した。この結果から、法改正を見据えて、システムの改修や業務運用の見直しが必要となる企業が少なくないことが明らかになった。

人事関連の各システム間のデータ連携に関して、41%の企業が「手入力」や「CSV連携」で対応している。より効率的な労務管理につながる「人事データの一元管理」ができている企業は、31%にとどまるという結果に

Q9
人事関連の各システム間のデータ連携方法について尋ねたところ、41%の企業が「手入力(21%)」や「CSV連携(20%)」といったマニュアルでの作業が発生するという結果になった。また、人事データを一元管理できている企業は約31%にとどまった。

人事データの一元管理は特に「医療・福祉業」「教育・学習支援業」「宿泊業・飲食サービス業」の業種において進んでおらず、その人件費は最大で年間397億円程度という試算に

人事データを1つのシステムで一元管理している企業の割合
また、業種別に人事関連システムのデータ連携方法について調査したところ、人事データを一元管理できていると答えた企業の割合は「学術研究・専門・技術サービス業(38%)」「農業・林業(33%)」「製造業(32%)」の業種では上位である一方で、「医療・福祉業(20%)」「教育・学習支援業(15%)」「宿泊業・飲食サービス業(13%)」は低く、業種ごとのばらつきが大きいことが明らかになった。
Q10
Q11
人事データの確認・集計・転記といった実務に関わっているメンバーの数について尋ねたところ、「5名以上(30%)」、「3名(29%)」と、合わせて59%の企業が3名以上の体制でこれらの業務に対応していることが分かった。

また、人事部門1人あたりのデータ確認・修正作業にかかる月間の時間は、「3〜4日程度(16時間〜32時間未満)」との回答が最も多い結果となった。

今回の調査結果から、多くの企業において、人事システム間のデータが分断されていることにより、人を介したデータ整備が必要であるということがわかった。これにより、システム連携時のデータ転記や修正に膨大な工数が費やされている実態が浮き彫りになった。

調査概要

調査概要:“40年ぶりの労基法改正”に関する実態調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2026年1月13日~同年1月14日
調査対象:従業員数100名以上の企業に勤める労務担当者 計900名
※本調査の結果に基づき、対象3業種(「医療・福祉業」、「教育・学習支援業」、「宿泊業・飲食サービス業」)における「人事データ整備の人件費」を以下の項目で掛け合わせ、1年間の総額を試算している。
・対象企業数(従業員100名以上のみ):令和3年経済センサス‐活動調査を参照
・想定時給:職業情報提供サイト『job tag』(人事事務)を参照
・人事データ整備に発生している平均人月:本調査結果を参照