人事評価制度の有無で賃上げ・業績認識に差 中小企業経営者200名調査【日本人事経営研究室調べ】
マスメディアン編集部 2025.12.15
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日本人事経営研究室は、企業の成長と人材定着において、人事評価制度の重要性が高まるなか、全国の中小企業で「人事評価制度を運用している」経営者および役員100名と、全国の中小企業で「人事評価制度を運用していない」経営者および役員100名を対象に、人事評価制度の運用状況とそれによる企業への影響について調査を実施した。
・直近1~2年で「業績が向上した」と認識している企業の割合は、人事評価制度を運用している企業で53.0%、運用していない企業で26.0%となった。
・人事評価制度を運用している企業では、「従業員のモチベーションが向上したと感じている」「昇進・昇格がスムーズになったと感じている」などの回答が一定数見られた。
・「社員に対する評価が適正にできていると感じている」と回答した割合は、人事評価制度を運用している企業で90.0%、運用していない企業で53.0%となった。
・人事評価制度を運用していない企業では、社員の離職原因について「わからない」と回答した割合が44.0%と比較的高かった。
・経営計画の運用については、人事評価制度を運用している企業の82.0%が「経営計画も運用している」と回答した一方、運用していない企業では30.0%にとどまった。











・エリア:全国
・調査対象:「人事評価制度を運用している」経営者・役員100名、「人事評価制度を運用していない」経営者・役員100名 計200名
・調査期間:2025年10月10日~10月14日
・調査方法:インターネット調査
調査TOPICS
・直近1年間に賃上げを実施したと回答した割合は、人事評価制度を運用している企業で92.0%、運用していない企業で44.0%となり、回答割合に差が見られた。・直近1~2年で「業績が向上した」と認識している企業の割合は、人事評価制度を運用している企業で53.0%、運用していない企業で26.0%となった。
・人事評価制度を運用している企業では、「従業員のモチベーションが向上したと感じている」「昇進・昇格がスムーズになったと感じている」などの回答が一定数見られた。
・「社員に対する評価が適正にできていると感じている」と回答した割合は、人事評価制度を運用している企業で90.0%、運用していない企業で53.0%となった。
・人事評価制度を運用していない企業では、社員の離職原因について「わからない」と回答した割合が44.0%と比較的高かった。
・経営計画の運用については、人事評価制度を運用している企業の82.0%が「経営計画も運用している」と回答した一方、運用していない企業では30.0%にとどまった。
調査結果
■賃上げが実施できた割合
直近1年間に賃上げを実施したかを尋ねたところ、人事評価制度を運用している企業では92.0%が「実施した」と回答した。一方、人事評価制度を運用していない企業では44.0%であった。本調査結果から、人事評価制度を運用している企業群において、賃上げを実施したと回答する割合が高い傾向が確認された。
■会社の業績が向上した割合
直近1~2年の業績について、「業績が向上した」と回答した割合は、人事評価制度を運用している企業で53.0%、運用していない企業で26.0%であった。人事評価制度を運用している企業では、業績について前向きに捉えている経営層が比較的多いことがうかがえる。
■人事評価制度を運用していることによる効果
人事評価制度を運用している企業の経営層に対し、制度導入後の変化について尋ねたところ、「従業員のモチベーションが向上したと感じている」(45.0%)、「昇進・昇格がスムーズになったと感じている」(37.0%)などの回答が見られた。これらは、人事評価制度を運用している経営層の主観的な認識を示すものである。
■「社員に対する評価が適正にできている」と感じている割合
人事評価制度を運用している企業では、経営計画も併せて運用していると回答した割合が高く、両者を組み合わせて運用している企業が多い実態が明らかとなった。経営計画を運用している企業では、「従業員の目標意識が高まったと感じている」「会社全体の方向性が明確になったと感じている」などの回答が見られた。
■社員の離職原因の認識
社員の離職の原因について聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「職場環境」が38.0%、「給与や待遇への不満」が37.0%で多い結果となった。一方、人事評価制度を運用していない中小企業は離職原因を「わからない」と回答した割合が44.0%で、最多の結果となった。

■社員の目標意識
「社員が目標を持って、成果を出すことを意識して働いている」と感じるかを聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「とても感じている」と「少し感じている」を合わせると83.0%となった。一方で人事評価制度を運用していない中小企業では60.0%に留まった。
■社員育成への影響
社員の育成が十分にできているかどうかを聞いたところ、人事評価制度を運用している中小企業では「とても感じる」と「少し感じる」を合わせると75.0%なのに対し、人事評価制度を運用していない中小企業では52.0%となった。
■人事評価制度を導入しない理由
人事評価制度を導入していない中小企業に導入しない理由を聞いたところ、最も多かったのは「導入しても効果を感じにくいから」が28.0%、次いで「他の優先事項があるから」が25.0%、「人事評価制度のノウハウを持っていないから」が22.0%という結果となった。「導入しても効果を感じにくい」という理由として、人事評価制度が十分に運用されていない、または間違った運用がされていることが考えられる。
■経営計画の運用
経営計画を運用することによる効果を聞いたところ、「従業員の仕事に対する目標意識が向上した」が41.4%となり、次いで「会社全体の方向性が明確になり、従業員の意思疎通ができた」が32.3%、「業績が伸びた」が29.3%という結果となった。

■まとめ
本調査から、人事評価制度を運用している中小企業では、賃上げや業績、社員の意識について前向きに捉えている経営層の割合が高い傾向が確認された。・エリア:全国
・調査対象:「人事評価制度を運用している」経営者・役員100名、「人事評価制度を運用していない」経営者・役員100名 計200名
・調査期間:2025年10月10日~10月14日
・調査方法:インターネット調査
