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「AIに奪われにくい職種」法人営業が1位、その理由は「感情・共感」「利害調整」「現場判断」【SHIFT AI調べ】

マスメディアン編集部 2025.10.31

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SHIFT AIによる調査で、AI時代に奪われにくい職種として法人営業が1位に選ばれた。人間ならではの共感や判断が求められる業務が上位を占め、AIの役割はリサーチや文書作成の補助にとどまる結果が示された。
SHIFT AIは全国132人の中間管理職以上を対象に「AI時代に『奪われにくい』職種と、その理由」について調査を実施した。

「AIに奪われにくい」と感じる職業に「会社員」を選択した132名に注目し、「どんな職種が残るのか」「なぜAIではなく人が担うのか」「AIの導入しどころ」を明らかにした。さらに、上位3職種(法人営業/経営企画/新規事業開発)に着目した調査結果も提示する。
調査結果

■調査結果

Topic1. 1位は法人営業—会社員の「奪われにくい職種」ランキング—(Q3|n=132)

奪われにくい職種
「AIに奪われにくい」と感じる職業に「会社員」と選んだ方(n=132)に、「最もAIに奪われにくい」と感じる会社員の職種を聞いたところ、1位:法人営業(関係構築)26.5%(35/132)、2位:経営企画/戦略コンサル15.2%(20/132)、3位:新規事業開発/PM 7.6%(10/132)だった。

4位以下には、研究開発(R&D)/人事(組織開発・タレントマネジメント)/プロジェクト/プログラムマネージャー/総務/ソフトウェアアーキテクト(上流設計)が続く。

Topic2. なぜAIではなく人が担うのか:上位は「感情・共感」「利害調整」「現場判断」(Q4|MA|n=132)

なぜAIではなく人が担うのか
「最もAIに奪われにくい」として選んだ職種が、なぜ「奪われにくい」と思うのか主な理由を聞いたところ、「人の感情・共感への配慮が不可欠だから」が37.9%(50/132)で最多。次いで「複雑な利害調整や信頼関係づくりが核だから」28.8%(38/132)、「現場での判断や予想外の事態への対応が多いから」24.2%(32/132)という順だった。

相手の立場に寄り添う/関係者をまとめる/例外に落ち着いて対処するといった、人間ならではの対応が求められる場面は、AIだけでは完結しにくい——という見方が広がっている。

Topic3. 上位3職種で異なる「人がやる理由」——Topic2.の設問を職種別に分析(Q3×Q4|MA)

人がやる理由
Topic2.で示した「なぜAIではなく人が担うのか」という設問をもとに、回答を職種別に分析した。特に「AIに奪われにくい」と感じる職種として上位に挙がった3職種(法人営業/経営企画/新規事業開発・PM)を選んだ方に、なぜその職種が『奪われにくい』と思うのか(Q4|複数選択)を聞いた。

□法人営業(関係構築):
理由の上位:
・人の感情・共感への配慮 54.3%(19/35)
・利害調整・信頼関係づくり 42.9%(15/35)

□経営企画(戦略・全社調整):
理由の上位:
・不確実性の高い意思決定・戦略判断 35.0%(7/20)
・経験・暗黙知に基づく判断 30.0%(6/20)

□新規事業開発/PM:
理由の上位:
・現場判断・予測不能な状況対応 40.0%(4/10)
・人の感情・共感への配慮 40.0%(4/10)

3職種とも、人が価値を発揮するポイントは「関係(共感・信頼)」と「判断(不確実・現場)」の組み合わせにある。ただし、その比重は職種で異なるため、AIは「情報を整え、選択肢を広げる役」として職種ごとに導入場所を変えるのが合理的である。

Topic4. 業務の中での「AIの導入しどころ」(Q5|n=132)

AIの導入しどころ
つぎに、「AIに奪われにくい」職種1位に選んだ職種について、「AIをサポート役(補助的に)として使うなら、どの作業で最も効果が高いと思うか」を聞いたところ、効果が高いと感じる作業は、「リサーチ・要約」20.5%(27/132)が最多。続いて「文書・メールの下書き」15.9%(21/132)、「記録・報告の自動化(議事録・レポート)」14.4%(19/132)が上位だった。

■調査概要

・調査期間:2025年10月2〜6日
・調査手法:インターネット調査
・調査地域:全国
・調査対象:全国の中間管理職以上(有効回答 n=132)
※本リリースの主分析母集団:Q2で「会社員」を選択した n=132
・調査会社:アイブリッジ

■調査結果のまとめ

今回の調査では、中間管理職以上の会社員(n=132)に「AIに奪われにくい」と感じる職種を尋ねたところ、1位は法人営業(関係構築)26.5%で、次いで経営企画、新規事業開発/PMが続き、4位以下も人事、R&D、総務、プロジェクト、アーキテクトなど人を動かす/判断する要素が高い職種が並んだ。その理由は、感情・共感や利害調整、現場判断が上位で、職種ごとに「人が担う理由」は異なることが確認された。一方、AIの「置きどころ」はリサーチ・要約が最多(20.5%)で、文書の下書きや記録・報告の自動化が続いた。総じて、人は共感・調整・判断が求められる場面を担い、AIは要約・記録・下書きなどの「下支え」に置くという役割分担が、AI時代の働き方として求められているということが、今回の回答で裏づけられたと言える。