マーケティング・営業戦略・広報・宣伝・クリエイティブ職専門の採用支援はマスメディアン【宣伝会議グループ】

  • HOME
  • ニュース
  • 79.9%の就活生が採用ホスピタリティで志望度に変化! 企業の対応がもたらす影響を調査【みん就調べ】

79.9%の就活生が採用ホスピタリティで志望度に変化! 企業の対応がもたらす影響を調査【みん就調べ】

マスメディアン編集部 2025.09.26

  • 人事
  • 採用
  • 働き方改革
みん就は、企業の採用活動における「採用ホスピタリティ」が、就活生の志望度や意思決定にどのような影響を与えるのかについて調査を実施した。調査では79.9%の就活生が企業対応で志望度に変化を感じ、88.1%が採用ホスピタリティを重視していることが判明した。就活生のリアルな声をもとに、企業の採用活動における成功のポイントを探る。
みん就は、就活生同士のコミュニティサイト「みん就」を通じて、選考フェーズにおける就活生が企業から受ける対応やおもてなし=企業による「採用ホスピタリティ」が就活生の意思決定に与える影響、および就活生の口コミサイトの活用状況について、実態調査を実施した。
 

1. 調査背景

近年、人材獲得競争が激化するなかで、企業は採用活動においてさまざまな工夫を凝らしている。中でも、就活生が企業を選ぶ際に重視するポイントは年々変化しており、東京商工会議所の「2025年度新入社員意識調査」によれば、就職先を決める際に「社風・職場の雰囲気」を重視する学生が58.8%と最も多く、前年の「処遇面」を上回る結果となった。

こうした傾向を踏まえると、選考過程における企業の担当者による対応やおもてなしといった採用ホスピタリティが、就活生の企業に対する印象や志望度に与える影響は無視できない要素となっている。本調査では、採用ホスピタリティが就活生にどのような印象を与え、志望意欲にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的としている。
 

2. 調査結果

■79.9%の就活生が企業のホスピタリティによって志望度が変化

採用ホスピタリティによって志望度が「大きく上がった」と回答した就活生は27.3%、「少し上がった」は52.6%となり、合計79.9%がポジティブな変化を経験していることが明らかになった。一方、「少し下がった」が2.4%、「大きく下がった」が0.2%となり、ネガティブな対応も志望度低下に影響を与えていることが分かる。
志望度

■就活生の心を掴んだ対応

就活生が企業の対応で「嬉しかったこと」として最も多く挙げられたのは「受付や社員の方が笑顔で迎えてくれた」(947件/41.1%)であった。次いで「採用担当者や社員が気さくに話しかけてくれた」(724件/31.4%)が多く、選考中の温かい雰囲気作りが就活生の満足度を高める要因となっていることが伺える。具体的なエピソードでは、「廊下ですれ違った社員の方が、挨拶をしてくれた」「ブースの前を通ったら、笑顔で話しかけてくれた」といった積極的な声かけや、「就活がんばってって言ってくれた」「プライベートなことなどフランクに聞いていただいた」といった就活生への寄り添いが、好印象に繋がっていることが示された。
※回答は複数選択可
嬉しかったこと

■就活生が残念に感じた対応

一方で、「残念に感じたこと」としては、「会場案内や説明が不十分で迷った」(193件/22.9%)が最多であった。また、「受付や社員の態度が冷たかった」(146件/17.4%)、「選考スケジュールの連絡が遅かった」(146件/17.4%)なども多く挙げられ、基本的な対応や情報提供の質が就活生の不満につながっていることが示された。自由記述からは、「声が小さくて聞き取りづらかった」「サイレントで面接結果を言わない」といったコミュニケーション不足や、連絡の遅延に対する不満が多く見受けられた。また、「圧迫面接」「社員同士の声が大きい」など、会場での態度や配慮の欠如も残念な印象を与える要因となっていることが明らかになった。
残念だったこと

■88.1%の就活生が企業のホスピタリティを「重視」

採用ホスピタリティについて、「非常に重視する」と回答した就活生は36.0%、「やや重視する」は52.1%となり、合わせて88.1%が採用ホスピタリティを重視していることが分かった。
重視度

■32.7%の就活生が企業のホスピタリティ・対応をSNSや口コミサイトに共有

企業の対応について、「他の就活生と話したり、SNSや口コミサイトに投稿したことがあるか」という質問に対して、「よくある」と回答した就活生は9.7%、「たまにある」は23.1%となり、合わせて32.7%が自身の体験を共有していることが分かった。
口コミ
就活生同士のコミュニティサイト「みん就」にも、企業の対応に関して以下のような声が寄せられている。実際の口コミから抜粋した内容を以下に紹介する。
声1
声2

■就活生の86.1%が口コミ情報を参考する

就活生が書いた口コミを「よく参考にする」(36.2%)、「たまに参考にする」(49.9%)と回答した就活生は合わせて86.1%に上り、多くの学生が口コミサイトを情報源として活用していることが示された。

さらに、実際に口コミを見て志望度が「変わったことがある」と回答した就活生は43.0%おり、志望度が変化する理由としては、「生の声は大事だと思う」や「現場の意見が一番信頼できる」といった声が多く聞かれ、企業が公開している情報だけでは分からない実態や社員のリアルな声を重視する傾向が強く見られる。特に、「労働環境についてマイナスな口コミがあると志望度が大きく下がる」という回答のように、労働環境の悪さや企業の不誠実さに関するネガティブな口コミは、志望度を下げる大きな要因となっているようだ。
口コミ参考

(3) 調査結果からの考察

今回の調査結果から、就活生にとって企業の採用担当者の対応や選考プロセスにおける採用ホスピタリティが、単なる「印象」に留まらず、志望度を左右する極めて重要な要素であることが浮き彫りになった。

具体的には、就活生が企業に対してポジティブな印象をと感じた瞬間として、「就活生目線でのアドバイス提供」や「1対1で真摯に受け答えしてくれた」といった個別対応、「インターンの選考時期がテスト期間以外」といった学生への配慮が多く挙げられている。これらの丁寧で誠実な対応や学生に寄り添う姿勢は、学生の信頼感を醸成し、企業への魅力を高める要因となっている。

一方で、ネガティブな印象を与え、志望度を下げる要因としては、会場案内や説明の不備、社員の冷たい態度、声の大きさや聞き取りやすさといった基本的なコミュニケーションの質の低さが挙げられる。自由記述からは、「圧迫面接」や「話した人があまり良い印象でなかった」など、社員の威圧的な態度や不快な印象が直接的な悪影響を及ぼしていることも明らかになっている。また、「返信の遅さやテンプレ送信にネガティブな印象を持った」といった事務的な対応の不備も、学生の企業に対する期待値を下げる要因となっている。

就活生がインターネットを通じて自身の体験を気軽に発信できる現代において、就活生のネガティブな体験は企業のブランドイメージに大きな影響を与える可能性がある。同時に、口コミサイトの情報が就活生の意思決定に与える影響も大きく、企業は採用活動における採用ホスピタリティの向上と、インターネット上での企業イメージ管理の重要性を再認識する必要があると言える。

■調査概要

  • 調査期日:2025年4月20日
  • 調査対象:2027~2029年卒業予定の就活生
  • 調査方法:就活イベント会場におけるアンケート調査
  • 有効回答数:1201件
  • 調査実施主体:2027~2029年卒業予定の就活生