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1on1の課題は「雑談化」と「不明瞭なキャリア」 【ビジネスコーチ調べ】

マスメディアン編集部 2025.07.11

  • 組織開発
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ビジネスコーチグループが実施した調査によると、1on1ミーティングを通じてキャリア自律支援を図る企業の約7割が「会社で実現できるキャリアの不明瞭さ」を課題視していることがわかった。また、ミーティングが機能不に陥る要因として、「継続性がない」、「雑談の延長に終始してしまう」などが挙げられた。
ビジネスコーチグループは、部下のキャリア自律を促す目的で1on1ミーティング等を実施している企業(従業員数1000名以上)の部長・課長100名を対象に、1on1ミーティングによるキャリア自律支援とジョブディスクリプションの活用におけるキャリアの明確化に関する実態調査を実施した。

調査サマリー
1. 1on1ミーティングについて、68.0%が「部下のキャリア自律を促すという目的に対して機能している」と回答。一方で28.0%は機能不足を指摘
2. 約7割が「会社で実現できるキャリアの不明瞭さ」を課題として認識
3. ジョブディスクリプション明確化ツール導入企業の76.7%が「キャリア支援につながる1on1等の育成施策」の効果向上を実感
※ジョブディスクリプションとは、社員一人ひとりの職務・役割・責任を明確に定義した「職務定義書」を指す。

調査結果のポイント
■約7割が、1on1ミーティングを「部下のキャリア自律促進に効果的」と評価

「Q1.あなたの会社で実施しているキャリア支援につながる1on1等は、部下のキャリア自律を促すという目的に対して、十分に機能していると感じますか。」(n=100)と質問したところ、「非常にそう思う」が26.0%、「ややそう思う」が42.0%という回答となった。

非常にそう思う:26.0%
ややそう思う:42.0%
あまりそう思わない:27.0%
全くそう思わない:1.0%
わからない/答えられない:4.0%

■1on1ミーティングが機能していると感じる場面、「部下が自ら目標やアクションプランを立てて話してくれたとき」が66.2%で最多
Q1で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q2.どのような場面で、機能していると感じますか。(複数回答)」(n=68)と質問したところ、「部下が自ら目標やアクションプランを立てて話してくれたとき」が66.2%、「部下が自分のキャリアの方向性や興味について話してくれたとき」が55.9%、「部下の発言や行動に、前向きな変化が見られたとき」が47.1%という回答となった。


■1on1ミーティング機能不全の原因、第1位「過去の対話内容や進捗が共有されておらず、継続性がない」、第2位「雑談の延長のような対話に終始してしまう」
Q1で「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した方に、「Q3.機能しにくいと考えられる要因を教えてください。(複数回答)」(n=28)と質問したところ、「過去の対話内容や進捗が共有されておらず、継続性がない」が39.3%、「雑談の延長のような対話に終始してしまう」が32.1%という回答となった。

■67.8%が、「会社で実現できるキャリアの不明瞭さ」を課題視
Q1で「あまりそう思わない」「全くそう思わない」と回答した方に、「Q4.キャリア支援につながる1on1等が十分に機能していない要因として、「会社で実現できるキャリアの不明瞭さ(部下が会社で実現できるキャリアをイメージできない状況)」が影響していると感じますか。」(n=28)と質問したところ、「非常にそう思う」が10.7%、「ややそう思う」が57.1%という回答となった。

■社内のキャリア明確化による「1on1ミーティングの効果向上」に、8割以上が期待
Q4で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した方に、「Q5.会社で実現できるキャリアが明確になれば、キャリア支援につながる1on1等はより有効になると思いますか。」(n=19)と質問したところ、「非常にそう思う」が5.3%、「ややそう思う」が78.9%という回答となった。

このように、社内でのキャリアパスの明確化がキャリア支援につながる1on1等の効果向上に重要な役割を果たすことが期待される中、実際の企業におけるジョブディスクリプションの整備状況についても調査を行った。なお、ここで言うジョブディスクリプションとは、社員一人ひとりの職務・役割・責任を明確に定義した「職務定義書」を指す。

■71.0%がジョブディスクリプション導入済、一方うち3割は「機能していない」実態
「Q6.会社で実現できるキャリアを明確にする一つとしての「ジョブディスクリプション」に関して、あなたの会社での導入状況を教えてください。」(n=100)と質問したところ、「導入していて、機能している」が41.0%、「導入しているが、実質的に機能していない」が30.0%という回答となった。

■ジョブディスクリプション活用の阻害要因、「部門によって職務定義の記述量や質にバラツキがあり、均質性を保てない」や「自社の活用用途に合わせた作成方法が分からない」が上位
Q6で「導入しているが、実質的に機能していない」、「導入していたが、やめた」、「導入していない(検討したが、やめた)」と回答した方に、「Q7.導入をやめた理由や、機能していない理由を教えてください。(複数回答)」(n=36)と質問したところ、「部門によって職務定義の記述量や質にバラツキがあり、均質性を保てない」が30.6%、「自社の活用用途に合わせた作成方法が分からない」が27.8%という回答となった。
■調査概要
調査名称:1on1ミーティングによるキャリア自律支援とジョブディスクリプションの活用におけるキャリアの明確化に関する実態調査
調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー®」によるインターネット調査
調査期間:2025年5月27日〜28日
有効回答:部下のキャリア自律を促す目的で1on1ミーティング等を実施している企業(従業員数1,000名以上)の部長・課長100名
※合計を100%とするため、一部の数値は端数処理を行っている。そのため、実際の計算値と若干の差異が生じる場合がある。