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人事育成の課題は「育成戦略」「データ活用」に集中【グロービス調べ】

マスメディアン編集部 2024.09.13

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グロービスは、人材育成業務の従事者を対象に「人材育成における課題」に関する調査を実施した。本調査から、人材育成業務に携わる社員にとって、「育成戦略」「データ活用」が課題となっていることが明らかになった。
グロービスは、人材育成業務の従事者を対象に「人材育成における課題」に関する調査を実施した。

近年、「人的資本経営」に対する注目がますます高まっている。2023年3月期から、有価証券報告書において人的資本情報の開示が義務化され、人的資本経営の取り組みが本格的に始まった。しかしながら、企業によってその取り組み状況には差がある。人的資本経営の中でも、社員のスキル・能力開発は重要な要素だが、推進が進まないケースも多く見られる。そこで同社は、人材育成に携わる人がどのような課題に直面しているかを調査した。調査結果の要旨は以下の通り。

人材育成業務上の課題、上位は「育成戦略」「データ活用」に集中

人材育成業務に携わっていると答えた500名に対して業務上の課題を尋ねたところ、「中長期的な育成戦略」(35%)に続き、「データの分析」「短期的な育成戦略」「人材データの一元管理」「データの収集」が上位となり、「戦略」「データ活用」が課題となっていることが明らかになった(図1)。
人材育成業務の中で感じる課題を示すグラフ
図1:人材育成業務の中で、あなたが課題感を感じていることについて、以下から優先度が高いものを5つまでお選びください。(複数回答)
人材育成におけるデータには、研修効果、公募活性施策の有用性、社員の学習ニーズなどに関するものが挙げられる。こうしたデータを収集し分析することは、戦略を立てることはもちろん、戦略の方向性が間違っていないかを把握し、よりよい方向へと軌道修正していくために不可欠であると言える。

「戦略」および「データ活用」に関する項目が上位を占めたことから、多くの企業で、データの活用と戦略立案・実行がかみ合いにくい状況が窺える。

「人材育成業務上の課題解決、検討したことがない」が約3割、理由は「時間がない」

人材育成業務上で感じた課題に対する検討状況を聞いたところ、過半数は検討している一方で、約3割が検討したことがないという回答だった(図2)。さらに、解決を検討したことがないと回答した人に対してその理由を尋ねたところ、「現行の業務負荷が高く、人材育成に十分な時間を割くことが難しいため」が34.3%だった(図3)。
人材育成業務の課題から解決しようと検討したことを示すグラフ
図2:先ほどお答えいただいた人材育成業務の課題について、解決しようと検討したことはありますか?(単一回答)
人材育成業務の課題解決をしようとしたことのない理由を示すグラフ
図3:人材育成業務の課題を解決しようと検討したことのない理由についてあてはまるものを全てお選びください。(複数回答)
人材育成におけるデータには、研修効果、公募活性施策の有用性、社員の学習ニーズなどに関するものが挙げられる。こうしたデータを収集し分析することは、戦略を立てることはもちろん、戦略の方向性が間違っていないかを把握し、よりよい方向へと軌道修正していくために不可欠であると言える。

また、役職別で見ると、人材育成業務に携わる人の中でも「課長・係長・主任」(あるいはそれに相当する役職)において、人事育成上の課題解決を検討したことがない人が多いという傾向が顕著に見られた(図4)。その理由として、「課長・係長・主任」の中で特に多かったのが、「現行の業務負荷が高く、人材育成に十分な時間を割くことが難しいため」で、全体傾向よりも高い39.7%であった(図5)。

企業の人材育成推進のためには、特にミドルマネジメント(中間管理職)の役割を担う課長・係長・主任層において、課題解決に取り組める状態をつくることが重要だと窺える。
解決しようとした課題があるかを役職別に示すグラフ
図4:先ほどお答えいただいた人材育成業務の課題について、解決しようと検討したことはありますか?(単一回答)
人材育成業務の課題を解決しようとしたことのない理由を役職別に示すグラフ
図5:人材育成業務の課題を解決しようと検討したことのない理由についてあてはまるものを全てお選びください。(複数回答)
調査概要
調査期間:2024年3月19日~3月25日
調査方法:インターネット調査
調査対象:従業員希望300名以上の企業に所属する、「社員の育成」に関わる方
調査人数:500名
モニター提供元:クロス・マーケティング