ミドルマネジメントの能力開発を引き続き重要視「第9回マネジメント教育実態調査2024」【産業能率大学総合研究所・HR総研調べ】
マスメディアン編集部 2024.09.13
- 人事
産業能率大学総合研究所とHR総研は、日本企業の人事・教育部門の担当者を対象に、マネジメント教育実態調査を実施した。本調査は、組織における人材マネジメント活動の現状と変化、そして若手社員に対する人材マネジメントに焦点を当て、その実態と課題を明らかにすることを目的として実施された。調査結果の要旨は以下の通り。
■人事部から見た社員のモチベーションは、2015年と比較するとすべての階層で低下
階層別のモチベーションの状況を尋ねて、2015年の結果と比較したところ、すべての階層でモチベーションが低下していることがわかった。特に新入社員と若手社員のモチベーションの低下が顕著で、「低い」と「やや低い」を合わせた割合は、2015年と比較して新入社員で19.3ポイント、若手社員で18.8ポイント増加した。
■「中堅層の能力強化」が人材開発上の課題として重要性を増す
直面している人材開発上の主な課題について尋ね、2015年と2018年の調査と比較した。「管理職のマネジメント能力を高めること」が2015年、2018年、2024年すべての調査で1位となり、経営と現場をつなぐミドルマネジメントの能力開発が引き続き重要視されている。
また、「中堅層の能力を強化すること」が2位に浮上し、組織の持続的成長のために将来の管理職候補となる中堅層の育成が企業の課題となっている。加えて「教育体系を整備すること」が3位、「社員のキャリア開発を支援すること」が4位に浮上した。
■論理的思考力とストレス管理能力を若手社員に求める傾向に
若手層について強化すべき能力・知識を尋ね、2015年と2018年の調査と比較した。2015年から一貫して「コミュニケーション力」が1位となり、社会人として他者と円滑な意思疎通を行う対人スキルが依然として重要視されている。
2015年と2018年では5位だった「論理的に考える力」が今回は2位に浮上した。また、「自分のストレスをマネジメントする力」も2015年は10位、2018年は6位、2024年は5位と年々上昇しており、若手社員のストレス管理能力がますます重要視されている。
■管理職になりたい若手社員は4割弱の企業で減少
管理職になることへの意向がある若手社員の増減について尋ねたところ、「変わらない」と回答した企業が56.2%と半数を超えた。一方で、「増えている(1.9%)」と「やや増えている(4.9%)」の合計は6.8%であるのに対し、「減少している(15.4%)」と「やや減少している(21.7%)」の合計は37.1%だった。管理職を目指す意欲が低下している若手社員が全体の約4割弱の企業で見られることが明らかになった。
■若手社員の仕事への意欲を向上させることに対する課題が上位に
人事部から見た若手社員の課題と、その課題に対しての取り組み状況を尋ねた。半数以上の企業が課題として挙げたのは、「働きがいを高めること(52.8%)」、「従業員のエンゲージメントを高めること(50.9%)」、「能力・スキルを高めること(50.6%)」だった。さらに、「モチベーションを向上させること(46.4%)」も多くの企業が課題として挙げており、「働きがい」、「従業員エンゲージメント」、「モチベーション」といった若手社員の仕事への意欲を向上させることに対する課題意識が高いことがわかる。
また、すべての項目において、課題と実際の取り組みの間にはギャップが見られ、若手社員への取り組みがまだ不十分であることが窺える。
■若手社員の意欲向上に向けた人事部の問題意識は「時間・人手不足」「ノウハウ不足」
若手社員の仕事に対するモチベーションや意欲を向上させるための人事部の問題意識について尋ねたところ、最も多く挙げられたのは「取り組みに割く時間がない、人手が足りない(46.4%)」だった。続いて、「取り組みを進めるノウハウがない(31.5%)」や「現場と協力体制が築けていない(31.5%)」も挙げられた。
調査概要
調査期間:2024年5月29日~6月19日
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本企業・組織における人事/人材教育部門の担当者・責任者
有効回答:290件
■人事部から見た社員のモチベーションは、2015年と比較するとすべての階層で低下
階層別のモチベーションの状況を尋ねて、2015年の結果と比較したところ、すべての階層でモチベーションが低下していることがわかった。特に新入社員と若手社員のモチベーションの低下が顕著で、「低い」と「やや低い」を合わせた割合は、2015年と比較して新入社員で19.3ポイント、若手社員で18.8ポイント増加した。
■「中堅層の能力強化」が人材開発上の課題として重要性を増す
直面している人材開発上の主な課題について尋ね、2015年と2018年の調査と比較した。「管理職のマネジメント能力を高めること」が2015年、2018年、2024年すべての調査で1位となり、経営と現場をつなぐミドルマネジメントの能力開発が引き続き重要視されている。
また、「中堅層の能力を強化すること」が2位に浮上し、組織の持続的成長のために将来の管理職候補となる中堅層の育成が企業の課題となっている。加えて「教育体系を整備すること」が3位、「社員のキャリア開発を支援すること」が4位に浮上した。
■論理的思考力とストレス管理能力を若手社員に求める傾向に
若手層について強化すべき能力・知識を尋ね、2015年と2018年の調査と比較した。2015年から一貫して「コミュニケーション力」が1位となり、社会人として他者と円滑な意思疎通を行う対人スキルが依然として重要視されている。
2015年と2018年では5位だった「論理的に考える力」が今回は2位に浮上した。また、「自分のストレスをマネジメントする力」も2015年は10位、2018年は6位、2024年は5位と年々上昇しており、若手社員のストレス管理能力がますます重要視されている。
■管理職になりたい若手社員は4割弱の企業で減少
管理職になることへの意向がある若手社員の増減について尋ねたところ、「変わらない」と回答した企業が56.2%と半数を超えた。一方で、「増えている(1.9%)」と「やや増えている(4.9%)」の合計は6.8%であるのに対し、「減少している(15.4%)」と「やや減少している(21.7%)」の合計は37.1%だった。管理職を目指す意欲が低下している若手社員が全体の約4割弱の企業で見られることが明らかになった。
■若手社員の仕事への意欲を向上させることに対する課題が上位に
人事部から見た若手社員の課題と、その課題に対しての取り組み状況を尋ねた。半数以上の企業が課題として挙げたのは、「働きがいを高めること(52.8%)」、「従業員のエンゲージメントを高めること(50.9%)」、「能力・スキルを高めること(50.6%)」だった。さらに、「モチベーションを向上させること(46.4%)」も多くの企業が課題として挙げており、「働きがい」、「従業員エンゲージメント」、「モチベーション」といった若手社員の仕事への意欲を向上させることに対する課題意識が高いことがわかる。
また、すべての項目において、課題と実際の取り組みの間にはギャップが見られ、若手社員への取り組みがまだ不十分であることが窺える。
■若手社員の意欲向上に向けた人事部の問題意識は「時間・人手不足」「ノウハウ不足」
若手社員の仕事に対するモチベーションや意欲を向上させるための人事部の問題意識について尋ねたところ、最も多く挙げられたのは「取り組みに割く時間がない、人手が足りない(46.4%)」だった。続いて、「取り組みを進めるノウハウがない(31.5%)」や「現場と協力体制が築けていない(31.5%)」も挙げられた。
調査概要
調査期間:2024年5月29日~6月19日
調査方法:インターネット調査
調査対象:日本企業・組織における人事/人材教育部門の担当者・責任者
有効回答:290件