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【第4回】業態変革が進むPR会社・SP会社、「デジタル人材」「経験者」採用に成功する企業の特徴は?─中途採用最新動向2022

 2022.08.24

  • 中途採用
【第4回】業態変革が進むPR会社・SP会社、「デジタル人材」「経験者」採用に成功する企業の特徴は?─中途採用最新動向2022
2022年のPR会社やSP会社の採用動向について、マスメディアンのコンサルタント・荒川が解説します。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大による経済活動への影響が落ち着きはじめた2022年前半。リアルイベントの再開や消費者の店頭購入など外出型消費が回復し始めたことに伴い、案件数は回復しつつあります。

PR会社の動向 

2020年は、エンタメ・飲食関連企業の営業停止やイベント中止などにより、同業界を主要なクライアントとするPR会社には、業績が落ち込んだ会社もありました。そうした会社も、2021年後半からは各社の広報需要の増加に伴って復調。2022年前半には、リアルでのイベントを本格的に再開する会社も多く、PR会社の案件受注は増加しました。

また、PR TIMESは2021年度(2021年3月~2022年2月)、過去最高の通期売上を記録(*1)、2022年3月~5月も過去最高の四半期売上高を更新したと発表しています(*2)。同社によると、国内上場企業の約半数が同社の主力サービス「PR TIMES」を利用しており、閲覧数も増加。プレスリリース配信の需要は高まっていると言えます。

さらに、広告業界の他業態と同様、消費者との接点としてのデジタルコミュニケーションの需要も増加しています。インフルエンサーマーケティングやSNSマーケティングに加え、ブランディングの一環として、SNSやオウンドメディアを活用してパーパスやステートメントを発信し、共感・好感によってエンゲージメントを高める施策も注目されています。

そのほかの変化として、戦略PRへの注力があります。これはコロナ禍前からの傾向ですが、大手PR会社では、グループ会社とともに、例えば「サービスAのパブリシティ獲得」などのスポット(短期間・単発)案件ではなく、クライアントに伴走しながら中長期的なスパンでコミュニケーション戦略の全体を企画・立案・実行するリテーナー契約を結ぶケースが増えているようです。

SP会社の動向

イベント会社では、一時期はリアル開催のイベントがほとんどなくなったことから、新しい案件の獲得が必要になり、さまざまな方針が見られました。例えば、オンラインイベントやライブ配信の運営・制作支援など、イベントのオンライン化にかじを切った会社があれば、PCR検査の運営やワクチン集団接種会場の運営など、リアルイベント運営のノウハウが生きる、コロナ禍ならではの行政関連案件を受注した会社もあります。そのほか、受注できる案件の幅を広げるため、広告会社経由での仕事を多く受注していたイベント会社が、直クライアント開発チームをつくった例もあります。

店頭販促・リテールに強い企業では、OMO(Online Merges with Offline)支援へのニーズが増加しつつあります。もともと店頭販促の支援をしていたクライアントから、店頭とECを連動させるにあたり、EC上でのプロモーションや流通支援まで引き受けた例や、SNSキャンペーンなどデジタルチャネルによるリアル店舗への集客まで手がける例などがあります。また、D2C(Direct to Consumer)支援に注力している会社もあります。さらに、クライアントに深く入り込んで、購買データを分析し、店頭販促のほか、Web広告運用などにも活用するよう提案するなど、CRM領域まで踏み込んでいる企業もあるようです。

店頭販促の現場でもDXが進んでいます。店舗内にビーコンを設置し、来店者の購入までの動線や購買の傾向を分析し、広告配信や店舗の改善につなげる、といった施策も見られます。こうした領域は大手印刷会社が得意としていましたが、SP会社でも取り組みが広がっているようです。

採用の変化

ここまで解説した通り、PR会社やSP会社も業態変革が進行しています。それに伴い、各社では、これまで社内にいなかった人材を採用する必要が出てきました。デジタル人材や広告会社勤務経験のあるプランナーなどを求める企業が増えています。

しかし、どの職種においても、同業種の経験者採用には大手企業も苦戦しています。会社の規模によらず、採用に成功している企業の傾向は2種類あります。

1つは、ポテンシャル採用。営業職の採用であれば、広告・PR業界に限定せず、異業界の法人営業経験者やクライアントの業界出身者を採用しているケースが多くあります。あるSP会社の営業・プランナー採用では、店頭販促に関する知識を重視し、大手量販店の販売員経験者を採用したケースもありました。

もう1つは、働き方改革への注力です。リモートワークの導入や休みやすい環境づくり・業務を一人に集中させない体制づくりを進めている企業は、経験者の採用や優秀なポテンシャル層の採用に成功しています。

*1:「PR TIMES、過去最高の通期売上高と各利益を更新(2021年度 通期決算を発表)」2022年4月13日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001179.000000112.html)
*2:「PR TIMES、過去最高の四半期売上高を更新(2022年度第1四半期決算を発表)」2022年7月14日(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001200.000000112.html)
【執筆者プロフィール】
荒川 直哉(あらかわ なおや)

荒川 直哉(あらかわ なおや)
株式会社マスメディアン キャリアコンサルティング部 部長
国家資格キャリアコンサルタント

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。年間600名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社のマーケティング・クリエイティブ部門や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。「転職を検討している人材」と「採用企業」の両方の動向を把握しているエキスパート。転職者の親身になるがモットー。

マスメディアンでは、クリエイティブ・マーケティングをはじめプロフェッショナル人材採用に関するさまざまなご相談に応えてきました。

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