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【第2回】広告会社によるデジタル人材採用の背景と現状─中途採用最新動向2021

 2021.11.17

  • 中途採用
【第2回】広告会社によるデジタル人材採用の背景と現状─中途採用最新動向2021
2021年の広告会社やデジタルエージェンシーの採用動向について、マスメディアンのコンサルタント・倉本が解説します。

広告会社の動向とデジタル人材の採用市場

2020年は、広告業界では業種・職種を問わず多くの企業が採用をストップしました。大手広告会社やデジタルエージェンシーも軒並み募集を停止。募集が再開されたのは、早い企業では2020年末頃からでした。2021年9月にはおおむね募集を再開しています。
 
ただ、採用市場には大きな変化がありました。DXの波を受け、大手広告会社を中心に、採用の注力職種がデータアナリストやデータエンジニア、ストラテジックプランナーなどのデジタル人材に移りました。その結果、採用における競合が、広告業界各社に加えて、コンサルティング会社やシステムインテグレーター(以下、SIer)にも広がったのです。さらに、アクセンチュアがアイ・エム・ジェイやDroga 5などを買収したように、コンサルティング会社がクリエイティブ機能を強化する動きもあります。これは、広告会社とコンサルティング会社がともに、戦略立案からアウトプットまでを一気通貫で対応することを指向することによるものです。
 
この流れは数年前から少しずつ起きていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大がDXを加速させ、一気に採用市場のトレンドとしてトップに躍り出ました。ナショナルクライアントと呼ばれる大手広告主企業もDXを余儀なくされ、その支援に各社が競って参入しようとしたため、コンサルティング会社やSIer、広告会社という従来は棲み分けていた企業が同じような人材獲得に走り出しました。もちろん、DX支援の現場では、各社はパイを取り合うばかりではなく、従来のような分業・協力体制を採ることもあります。コンサルティング会社が経営視点で売り上げ変革の見取り図をつくり、それに基づいて広告会社やデジタルエージェンシーが消費者・顧客との接点づくりの企画を立て、そのためのシステムをSIerが構築し……という流れです。
 
こうした状況のなかで、デジタル人材に向けた採用コミュニケーションに各社は知恵を絞っています。総合広告会社の強みの1つには「統合プランニングが実現できること」があり、これは採用におけるアピールポイントでもありました。しかし、近年、マス広告の広告効果が低下しているともいわれるなか、デジタル人材にとっての魅力は薄れつつあるようです。ただし、システム開発などが多いSIerやコンサルティング会社と比較すると、広告会社ではプロモーションを中心に、より華やかで成果が目に見える案件に携わる機会が多いため、その点に魅力を感じる人材もいます。

募集職種の動向

各社が積極的に募集している職種について、さらに詳しく見ていきます。総合広告会社では、先述の通り、デジタル人材やエンジニアの採用が急務です。デジタル人材は採用競合が激しいため、入社承諾率は高いとはいえません。そのため、各社で入社意向を高める施策が行われています。グループ会社にデジタルエージェンシーやシステムに強い企業がある場合には、グループ一丸となって採用をするケースも見受けられます。採用対象者は経験者が中心ですが、なかには未経験者、例えば投資銀行のアナリストがストラテジックプランナー職として採用された事例もあります。また、これまで中途採用はほとんど契約社員採用だった企業が正社員採用に切り替えたのもその一環です。
 
その反面、従来型の広告会社の営業職、すなわちマス広告を受注する役割の職種での採用はかなり減少しました。引き続き採用を継続している会社でも採用条件が高くなり、在籍している社員以上の高いスキルが要求されるようになっています。営業系職種では、システム開発やビジネスデザインにも対応ができる、ビジネスプロデューサーと呼ばれる職種の採用は活発になりつつあります。上記のデジタル人材の一部分ともいえます。
 
また、デジタル案件の専業チームでは、プロデューサーやPM(制作進行管理)など、フロント職種の採用が続いています。プランニング職種の採用も活発です。スペシャリスト採用志向の現れとして、募集職種をかなり具体的に細かく分ける企業も出てきました。例えば「Webプランナー」と大枠で募集をするのではなく、「SNSプランナー」、「オウンドメディアスペシャリスト」に分割する、といったものです。

デジタルエージェンシーの動向

デジタルエージェンシーでは、未経験者まで対象とした積極的な募集が行われています。募集職種は営業・プロデューサー、広告運用担当などです。特に広告運用担当の採用は活発で、銀行やメーカーの営業担当など、異業種・異職種からの転職の実例も多数あります。また、新しい技術を用いた新規事業(AIを用いたクリエイティブ制作、3DCGの制作など)を持つ会社は、それに関連する採用にも積極的です。また、従来の専門領域から対応する幅を広げることで、他社に代替されないよう差異化を図る企業もあります。例えば、検索エンジンでのリスティング広告運用が中心だった会社が、ECモール広告に注力する、というような事例です。その場合にも、社内での人材育成とともに、専門スキルを持つ人材の採用が行われます。

今後の見通し

今後の見通しとしては、やはりデジタル人材やエンジニアの採用動向が注視されます。現在、広告業界内にデジタル人材は多くはいません。他業界(コンサルティング業界、IT業界など)から採用する必要がありますが、その採用の方策、また入社後にスキルを活かしてもらうための制度や業務の設計が課題となります。これまでのところ、IT業界で活躍している高スキルのデジタル人材は広告業界とは年収水準が合わず、入社意向が得られない場合が多いようです。ある広告会社では、デジタル人材はクリエイティブディレクターと同列に位置づけ、なるべく年収を合わせる工夫をしています。また、選考中に評価しているポイントや期待している業務などを丁寧に説明し、入社後の姿をイメージしてもらうとともに、感情に訴える動きをしている会社もあります。
【執筆者プロフィール】
倉本 篤(くらもと あつし)

倉本篤(くらもと あつし)
株式会社マスメディアン 取締役
国家資格キャリアコンサルタント

営業責任者として、企業のクリエイティブ部門や宣伝・広報部門、大手広告会社、外資系広告会社、制作会社などさまざまなタイプの採用コンサルティングを行いつつ、部下の指揮・育成、経営戦略の立案などの業務を行う。同時に、キャリアコンサルタントとして、マーケター・クリエイターのキャリアアップも支援している。

マスメディアンでは、クリエイティブ・マーケティングをはじめプロフェッショナル人材採用に関するさまざまなご相談に応えてきました。

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