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【第3回】制作会社における採用と働き方の変化─中途採用最新動向2021

マスメディアン編集部 2021.12.01

  • 中途採用
【第3回】制作会社における採用と働き方の変化─中途採用最新動向2021
2021年の広告制作会社やWeb制作会社の採用動向について、マスメディアンのコンサルタント・倉本が解説します。
2020年、広告制作会社は、その多くが新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で採用を停止しました。しかし、経済活動再開の目処が見えてきた2021年4月ごろから、徐々に採用活動も再開されるように。当初はWeb制作や映像制作など、コロナ禍でも引き合いが多くあった案件に対応するチームの増員・欠員補充から始まり、直近では景気回復への期待感から、職種を問わず募集が増加しています。ただし、第1回で見たように、デジタル関連職種の比重は大きくなりました。以前はグラフィック専門のデザイナーを募集していた会社が、Web兼任のデザイナーの採用に切り替えた、という事例もあります。さらに、欠員補充の採用に関しても拡大傾向にあり、リモートワークで会社や同僚とのつながりが希薄となったことと、転職活動のしやすさから離職が増えているように感じています。

また、例外として、通販やECなどの外出自粛に伴い需要が増加した業界との取引が多く、業務の減少が見込まれなかった会社は、2020年も積極的に採用を継続していたようです。

募集職種の変化

先述の通り、制作会社でもデジタル関連職種の採用が活発になりました。もともとWeb制作に強かった企業は、受注できる案件を広げようと、これまで社内にいなかった職種の採用を始めています。例えば、Webの表層のデザインが得意だったある企業は、システム開発まで対応領域を広げるため、エンジニア採用を開始しました。また、マーケターやプランナーを採用し、Webコンサルティング領域に近づこうとしている企業もあります。反対に、これまではWeb制作を専門外としてきた企業では、急ぎWeb制作チームの採用や育成を進めています。

しかし、どのタイプでも、順調に採用ができている企業は多くありません。これは第2回でお話した広告会社と同様に、採用競合が増えたためです。Webアートディレクターやクリエイティブディレクターなどのエグゼクティブ人材は、広告会社もコンサルティング会社も採用したがっています。また、実制作を担当するWebデザイナーなどの若手~中堅クラスの人材は、事業会社のインハウスクリエイティブ部門での採用枠が増加しています。インハウスならプロモーションに深く関わることができると感じ、そちらに惹かれるWebデザイナーも増えています。

働き方の変化と採用への影響

広告業界のクリエイティブ職種では、リモートワーク(在宅勤務)を取り入れている割合が高いです。クリエイターとしては、業務自体に支障はなく、むしろ快適に感じている方も多いようです。反面、入社後のオンボーディング(定着・戦力化)やチームビルディングへの懸念の声も聞かれます。

また、面接もWeb面接が主流になりました。採用担当者、求職者からはともに「面接の調整がしやすくなった」と歓迎される一方、「相手の人柄や雰囲気が読み取りづらい」「深い質問がしづらい」といったミスマッチへの不安もしばしばお聞きします。これには各社でさまざまな工夫がされており、例えば、基本的にはリモートで選考するものの、候補者の希望に応じて来社してもらい、一緒に働く社員との面談の場を設けている企業もあります。そういった企業では、訪問希望の有無を確認すると、ほとんどすべての候補者が訪問を希望するそうです。

緊急事態宣言が解除されて以降、リモートワークを継続するか、出社勤務に戻すか、企業により対応が分かれています。ただ、リモートワークにより通勤時間が不要になったことで、広告業界ではしばしば見られる長時間労働の問題が部分的に解消されました。その点をメリットととらえ、継続を決めた企業もあるようです。

働く側、特にデザイナーからは、リモートワークを希望する声が多く聞かれます。出社勤務になったからといってすぐに退職者が出るとは思われませんが、中長期的には、働き方で企業を選ぶ求職者層が増加する可能性があります。

これからの採用のポイント

コロナ前と比較し、ポテンシャル採用は激減しました。特に、実際に育成を担当する部門担当者が強く不安を感じているようで、募集要件にスキルがマッチすると思われる候補者でも、「人事は採用したいが、現場が首を縦に振らない」という企業もあります。採用判断にはさまざまな事情が重なるため一概には言えませんが、一因として考えられるのは、リモートワークでのチームワークが現在、すでにうまくいっていないこと。もし、育成や採用に消極的な声が増えたのであれば、その理由や原因をきちんと聞き、社員の不安を汲み取ることも大切かもしれません。

どんな採用にもミスマッチのリスクは伴います。しかし、そのリスクを取ることができないと、採用ハードルが必要以上に上がってしまい、結果として誰も採用ができず、現場がますます苦しくなる……という悪循環に陥りかねません。それを防ぐためには、経営層・人事・現場が、いま会社に必要なスキルや人材について話し合い、互いの要望や考えを理解し、場合によっては要件を削ぎ落とし、求める人物像を再定義する必要があります。私が採用支援をしている企業でも、この再定義がうまくできたたことで、長らく膠着していたポジションの採用ができた企業があります。
【執筆者プロフィール】
倉本 篤(くらもと あつし)

倉本 篤(くらもと あつし)
株式会社マスメディアン 取締役
国家資格キャリアコンサルタント

マーケティング・クリエイティブ・デジタル領域専門の採用コンサルタント。事業会社やコンサル企業、広告会社などを多数支援してきた知見を活かし、1200人以上の価値創造型人材のキャリアコンサルティングも実施。「意外なキャリアを発見する」を信条に、履歴書・職務経歴書だけではわからない転職希望者の適性を見出し、企業の成長に貢献する人材の採用を支援している。

マスメディアンでは、クリエイティブ・マーケティングをはじめプロフェッショナル人材採用に関するさまざまなご相談に応えてきました。

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