マーケティング・営業戦略・広報・宣伝・クリエイティブ職専門の採用支援はマスメディアン【宣伝会議グループ】

HRテクノロジー大賞

岩本 隆 2025.11.03

  • 人事
  • 人的資本
HRテクノロジー大賞
2016年に始まり2025年で10回目を迎えたHRテクノロジー大賞は、人事や人材マネジメント分野でのテクノロジー活用の先進事例を表彰するものです。生成AIやAIエージェントの活用が進むHRテクノロジーの進化にも注目が集まる同賞の10年間について、慶應義塾大学大学院 講師の岩本隆先生に解説いただきました。(マスメディアン編集部)
HRテクノロジーの先進事例を表彰するイベントである「HRテクノロジー大賞」は、2016年に開始され、2025年で10回目を迎えた。HRはHuman Resources(人的資源)の略であり、HRテクノロジー大賞では、人事や人材マネジメントにおけるテクノロジー活用の先進事例を表彰している。本稿ではこれまでの10回のHRテクノロジー大賞の総括について記す。 HRテクノロジー大賞は、HRテクノロジー大賞実行委員会が主催し、第10回では以下の8団体が後援している。

●国立研究開発法人産業技術総合研究所
●独立行政法人情報処理推進機構
●独立行政法人中小企業基盤整備機構
●一般社団法人HRテクノロジーコンソーシアム
●一般社団法人人的資本と企業価値向上研究会
●一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会
●株式会社ビジネスパブリッシング
●HR総研(ProFuture株式会社)

HRテクノロジー大賞では、部門ごとに、HRテクノロジーのサービスやアプリケーションを提供するサービサーの事例と、HRテクノロジーのサービスやアプリケーションそれらを社内で活用するユーザーの事例を部門ごとに表彰している。ユーザーの事例では、外部のサービスやアプリケーションなどを活用する事例だけでなく、自社でテクノロジーを開発して活用する事例もある。図表1に過去10回のHRテクノロジー大賞受賞事例数を示す。ユーザー71事例、サービサー144事例、累計215事例が表彰されている。
図表1.HRテクノロジー大賞の受賞事例数(出所:筆者作成)
図表2にHRテクノロジー大賞の受賞企業グループ・団体数を示す。同じグループ会社の企業が複数受賞している場合は複数社をまとめて1社として数えている。累計139の企業グループ・団体が受賞しており、内訳は、上場企業グループが63社、非上場企業グループが75社、非営利団体1団体である。非上場企業グループが過半数を占めているのが特徴的で、非上場企業グループの中にはスタートアップ企業が数多く生まれており、HRテクノロジー大賞受賞後に成長して株式上場を果たしたスタートアップ企業も多い。
図表2.HRテクノロジー大賞の受賞企業グループ・団体数(出所:筆者作成)
図表3に日本の上場企業グループで受賞した56社の業種別企業グループ数を示す。業種は日本の証券取引所の分類を活用した。中分類でみると、情報・通信業が24社と最も多く、次いでサービス業の12社、電気機器の9社となっている。
図表3.日本上場企業グループの業種別受賞企業グループ数(出所:筆者作成)
AI(Artificial Intelligence:人工知能)等のテクノロジーの進化は依然として続いており、テクノロジーの進化とともに、HRテクノロジーの進化も続いている。2022年11月にChatGPTが公開されて以降、HRテクノロジーの領域でも生成AIの活用やAIエージェントの活用が進んでおり、2024年からは生成AIやAIエージェントを活用する事例も増加している。今後もHRテクノロジーがどう進化していくのか注目である。
【執筆者プロフィール】
岩本 隆先生お顔写真

岩本 隆(いわもと たかし)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科 特任教授
東京大学工学部金属工学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。日本モトローラ、日本ルーセント・テクノロジー、ノキア・ジャパン、ドリームインキュベータを経て、2012年6月より2022年3月まで慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授。2018年9月より2023年3月まで山形大学学術研究院産学連携教授、2022年12月より慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特任教授。ICT CONNECT 21理事、日本CHRO協会理事、日本パブリックアフェアーズ協会理事、SDGs Innovation HUB理事、デジタル田園都市国家構想応援団理事、オープンバッジ・ネットワーク理事、ISO/TC 260国内審議委員会副委員長などを兼任。