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採用担当者が知っておきたい、マーケター・クリエイター採用成功の極意

 2022.12.20

  • 採用ノウハウ
採用担当者が知っておきたい、マーケター・クリエイター採用成功の極意
「マーケティング、クリエイティブの内製化を進めるために採用を始めたが、なかなか求める人材と出会えない」「マーケティング・クリエイティブ人材を採用したいけど、採用選考で気をつけるべきポイントがわからない」…。そんな悩みにマスメディアンのコンサルタント・荒川がお答えします。マーケティング・クリエイティブ人材の採用を成功に導くためのポイントを、書類選考、面接、内定を出すときなどの状況ごとに紹介します。

インハウスマーケター・クリエイターの採用動向

昨今のSDGs(持続可能な開発目標)・ESG経営への関心の高まりや、コロナ禍の影響を受け、多くの企業が転換期を迎えています。パーパスの策定と発信、サービスや商品の刷新を行う企業も増えました。そこで、企業理念やビジョンを理解し、自社の経営戦略・ブランド戦略を担い、それをアウトプットに落とし込むことのできる人材として、マーケティング・クリエイティブ・デジタル業界で活躍してきた人材の採用ニーズが高まっています。

こうした背景から、インハウスマーケター・クリエイター採用においても、スキル・経験に加え、カルチャーマッチや企業理念への共感も重視する企業が増えています。選考要素のないカジュアル面談を取り入れる企業が増えたのも、応募者をより深く理解するためです。

広告業界で働く転職希望者にも、事業会社への転職を希望する人は多いです。その背景として、働き方改善への意識、そして「商品やサービスに、もっと深く、長く携わっていきたい」というニーズがこれまで以上に高まっていることも関係しています。後者は、世界的にも見受けられる傾向で、大手エージェンシーで活躍するクリエイティブディレクターが、GAFAなど大手IT企業へ転職する例が複数見られています。企業・求職者双方のニーズの高まりにより、優秀な人材ほど高待遇でのオファーを受ける機会も増えています。

どんな人を採用すればいいの?

それでは、どのような人を採用するのがよいのでしょうか。それは、採用の目的や任せたい具体的な業務によって異なります。

一人目の採用なら、まずは、エキスパート人材を採用しましょう
マーケティング・クリエイティブ・デジタル部門の立ち上げに伴う採用や、これから内製化を進めるためのリーダー候補としての採用の場合は、まずはエキスパート人材を採用しましょう。エキスパート人材が一人いることで、実務に加えて、外部協力会社のハンドリングや二人目以降の専門職人材採用の際のスキルチェックなどが任せられます。強化したい分野の内製化と組織体制の構築、両方の第一歩になります。

体制強化を進めるときは、プレイヤー人材も採用しましょう
マーケティング・クリエイティブ・デジタル部門の体制強化を目的とした採用の場合は、プレイヤー人材を採用しましょう。また、どのような業務を任せたいかによって、求める経験・スキルは異なります。「SNS運用、オウンドメディアのコンテンツ作成を任せたい」というピンポイントの目的がある場合は、広告業界経験者に限らず、求める業務に近い経験・スキルを事業会社で積んできたプレイヤー人材を見ていくことも必要です。

なかなか応募が集まらない場合は、採用要件の見直しが効果的な場合もあります。特に、デジタル職種を中心に、即戦人材にニーズが集中し、待遇が高騰しています。採用市場に目を向けることで、採用成功の糸口が見つかることもあります。採用市場について詳しく知りたいときは、ぜひマスメディアンのキャリアコンサルタントにご相談ください。

書類選考、気をつけるべきポイントは

【1】職歴は多くて当たり前、3~5 社は普通と思いましょう
広告業界はスキルアップのために転職することが通例化しています。何を得るために転職をしてきたのか、具体的な経歴理由を面接時に聞いて判断すると良いでしょう。実際に、採用が難航していた大手メーカーにおいて、経験社数の要件を「2社以上は書類選考でお見送り」から「求めるスキル・経験があれば柔軟に」に緩和したことによって、実務経験豊富なWebディレクターの採用に成功した事例がありました。

また、事業会社への入社は、最後の転職と決意する人が多いです。これまでの職歴が多いからといって、定着しないとは言い切れません。

【2】華やかなイメージは排除しましょう
広告業界というと華やかなイメージがありますが、実は裏方仕事で、陰から主役(広告主)を支えている業界です。そのため、クライアントに揉まれて鍛え抜かれている人が多いです。華やかな業界人は合わないかも…という先入観は一度取り除いてみましょう。

【3】横文字に驚かないでください
「アカウントエクゼクティブ」「メディアバイイング」「コンバージョン」「エグゼキューション」「CTR」「GA」「GDN」「YDN」などアルファベットやカタカナの専門用語が頻発する業界です。たじろぐことなく、どんな意味か、どんな業務か、しっかり確認することが重要です。

【4】数字に着目しましょう
「目標130%達成」「クライアント数20社」など、具体的な数字は、経験を読み解くヒントとなります。

【5】自社との類似点を探しましょう
化粧品メーカーであれば、女性向け商材の経験があるか。映像・紙媒体・デジタルなど、推進したいアウトプット手法の経験があるか。自社と類似する経験を確認することでマッチ度が高まります。

【6】志望動機は面接で判断しましょう
文字だけで志望動機は判断できません。人柄や熱意は、実際に話してみてわかるもの。書類選考段階で、志望動機を深読みする必要はないでしょう。

【7】選考結果は早めに連絡しましょう
即戦力の転職希望者ほど多くのオファーを受けています。選考結果は、即日~2日以内の回答が望ましいでしょう。早めの通過連絡は、「ぜひ、あなたの話を詳しく聞きたい」という意思表示です。相手への関心を示すことで、自社への興味・関心を高めることにつながります。

面接、ここに注意しよう!

【1】採用要件の目線合わせを事前に行いましょう
面接を複数回行う場合は、参加する部署・メンバー間で、事前に採用要件のすり合わせをしましょう。採用目的を共有することで、選考基準を明確にできます。例えば、1~2次面接に参加した現場社員はスキル・経験を重視して面接を実施していたものの、代表や経営層はカルチャーマッチを重視していたため、最終面接でお見送りとなった事例がありました。「カルチャーマッチを重視する」旨を共有できていたら、1次面接の時点で採用要件と合わないと判断でき、採用工数が削減できます。

【2】自社の説明をしましょう
応募者を選考することに重きを置きがちですが、自社にマッチした人材を採用するためには、自社のことを誤解なく理解してもらうことも重要です。質問するだけでなく、自分たちがどんな会社なのか、何を目指しているのか、何をしてほしいのかをしっかり説明しましょう。

特に、オンライン面接では対面の面接よりも情報量が少なくなりがちです。そのため、会社概要や業務内容を説明するための資料・ツールを用意し、募集背景や任せたい仕事や案件の傾向、部署のメンバー構成、オフィス環境まで、丁寧に説明しましょう。選考はオンラインで行い、社風理解・企業理解のために来社で会社見学を実施するなど、オンラインと対面を併用する企業もあります。

【3】本人の能力範囲を追及しましょう
広告業界はチームで動くことが多い業界のため、書類に記載された成果が本人の力なのか、チームの力なのか見極めるのは難しいです。プロジェクトのなかでも、どのようなチーム編成で、どのような立ち位置で、どこからどこまでを担当したのか。人脈やデータは今後も活かせるものなのか。さまざまな質問によって本人の能力範囲を深掘りすることがミスマッチ防止につながります。

本人の思考プロセス、課題解決力、情報整理能力などを測るためには、面接と同時に、企画書やラフスケッチの提出やプレゼンを実施するのも有効です。

【4】第3者の意見を聞きましょう
採用はなかなか客観的な判断ができないものです。キャリアコンサルタントの意見など、第3者の意見も取り入れながら採用を進めることもお勧めします。面接でどのようにスキル・能力を見定めればいいか、どんな課題を設ければいいか。あるいは、面接後の評価が社内で分かれたときなど、うまく意見を取り入れましょう。

内定を出すときに、気をつけるべきことは?

【1】現在の給与を確認しましょう
広告業界は、月収は高く、賞与は年収÷14と比重が高くないところが多いです。現状の収入を齟齬なく把握するために、月収や賞与はもちろん、「残業時間と残業代」「裁量労働制かフレックスタイム制か」など、現在の給与形態を具体的に確認しましょう。残業時間が減るため月収は下がるが賞与は上がる、など年収の額面だけで判断できない要素は多いです。

【2】入社可能日を確認しましょう
優秀な人ほど、沢山の案件を任されていて退職までに2~3カ月を要することがあります。内定から即入社とはいかない場合が多いので、あらかじめ入社可能日を確認しておきましょう。

【3】内定オファーのときこそ、直接会いましょう
内定後、企業は選ぶ側から選ばれる側に変わります。直接お話して、ラブコールを送りましょう。あえて面接官ではなく、本人に近いレイヤーの社員が面談するのも効果的です。入社後のミスマッチ防止にもつながります。

【4】採用条件は詳しく説明しましょう
年収や業務内容、勤務時間はもちろんですが、残業代や賞与の計算方法など、採用条件を詳しく説明してお互いに齟齬がないようにしましょう。働き方に関する制度やルールについても事前に説明できると、入社後のトラブル防止になります。例えば、リモート勤務制度。制度の有無はもちろん、実施にあたってのルールも明確に説明しましょう。

まとめ

◆理想の人は存在しない
あれもできて、これもできて……、そのような人は非常に稀です。妥協できる点、できない点をあらかじめ整理しておくことで、良い決断ができます。

◆選考結果はスピード感を持って
貴重な経験やスキルを持つ人材は、転職市場において引く手あまたです。連絡のタイミングも重要となります。書類選考に始まり面接も含めて、早めの結果連絡を心掛けるのが良いでしょう。

◆比較検討はやめましょう。一人ひとりの出会いを大切に
求職者のスキル・経験は十人十色です。同じスキルと経験を持った人材は、ほかにはいないと考えるのが良いでしょう。比較して決めたい、もっと良い人がいるのではないか、という判断はチャンスを逃すことにつながります。相対評価ではなく絶対評価で判断し、一人ひとりの出会いや縁を大切にすることが、採用成功の秘訣です。
【執筆者プロフィール】
荒川 直哉(あらかわ なおや)

荒川 直哉(あらかわ なおや)
株式会社マスメディアン キャリアコンサルティング部 部長
国家資格キャリアコンサルタント

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。年間600名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社のマーケティング・クリエイティブ部門や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。「転職を検討している人材」と「採用企業」の両方の動向を把握しているエキスパート。転職者の親身になるがモットー。

マスメディアンでは、クリエイティブ・マーケティングをはじめプロフェッショナル人材採用に関するさまざまなご相談に応えてきました。

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