マーケティング・営業戦略・広報・宣伝・クリエイティブ職専門の採用支援はマスメディアン【宣伝会議グループ】

  • HOME
  • ナレッジ
  • 「誰を採るか」より先に問うべきこと―採用を経営戦略に変える思考法

「誰を採るか」より先に問うべきこと―採用を経営戦略に変える思考法

マスメディアン 取締役副社長 仲崇 2026.04.01

  • 採用ノウハウ
  • 中途採用
「誰を採るか」より先に問うべきこと―採用を経営戦略に変える思考法
事業の変化を担うハイクラス人材の採用は、ますます難しくなっています。「要件を出せば見つかる」という単純な話ではなく、企業の未来を左右する重要な経営課題です。では、企業は何を見極めるべきなのでしょうか。

本記事では、株式会社マスメディアン取締役副社長の仲崇が、自身のキャリアを振り返りながら、ハイクラス採用と組織づくりの本質について語ります。大手人材紹介サービスで多くの企業の採用を支援し、ブティック型エージェントでの事業責任者として経営・組織づくりを担った経験から見えてきた、「人と組織がより良く出会うため」の哲学とは。(マスメディアン編集部)
はじめまして。2026年1月にマスメディアンの取締役副社長に就任した仲です。今後、ハイクラス採用の支援、自社の組織づくりや採用、経営に携わってきた立場から、採用(特にハイクラスやマーケティング・クリエイティブ人材)や組織づくりについてのコラムを執筆していく予定です。今回は、私の得意分野や考え方をご説明する意味で、自己紹介をさせてください。

■略歴
人材紹介業で20年以上の実績を持つ。パーソルキャリア(当時:インテリジェンス)でエリア拠点立ち上げを経験し、人材紹介事業部のゼネラルマネージャーを務めた後、ハイレイヤー向け人材紹介サービスを運営するユニコーンパートナーズ日本法人の責任者として事業構築・拡大を担う。2026年1月より現職。企業の採用を課題解決の武器と捉え、人材と企業をつなぐプロフェッショナル。

情報の非対称性を解消したい。それが、私の人材紹介の原点

私が人材紹介の仕事を志した原点は、新卒で入社したミキハウスでの経験にあります。新規事業部でデベロッパー向けの法人営業をしていたのですが、入社した年にリストラが発表され、私がお世話になっていた上司も対象になりました。上司はとても優秀な方だったのに、年齢がネックになり、転職先はなかなか見つかりませんでした。一方で、新聞では企業の人手不足が語られている。このズレに、強い違和感を覚えたんです。

当時の転職活動は、ハローワークや転職情報誌が主流でした。そうすると、どうしても地理的に近い会社しか見つかりにくい。もっと広い範囲で、企業と個人をつなぐ仕組みが必要だと感じました。また、人材紹介サービスは、担当者の力量によって提供できる価値が大きく変わります。事業の将来性と、自分自身の力が試される環境の両方に、私は強く惹かれました。
 

「見てもらっている感」が、組織の定着率を変える

インテリジェンス(現パーソルキャリア)では、人材紹介サービスのプレイヤー業務のほか、京都支社の立ち上げや、アパレル業界専門の紹介業を営む子会社・クリーデンスの支社長など、いくつもの挑戦をさせてもらいました。大きな転機は、2014年に本社の人材紹介事業部で部長を務めた時期です。

ある時、既存社員とほとんど同数の新卒を受け入れることになり、組織は倍近くに急拡大しました。そのカオスともいえる状況で私が徹底したのは、「一人ひとりをちゃんと見る」ことでした。成約報告の一斉メールに必ずコメントを返す。日報やレポートをきちんと読んで声をかける。なるべく多くの社員と食事や面談をし、業務外で接点を持つことで、悩んだ時に話しかけやすい空気をつくる。弱みを責めるより強みを伸ばすことを重視していました。

結果として、その時期に配属された新卒のうち、3年後の離職者はわずか2名。全社でもトップクラスの定着率を実現できました。組織づくりで大切なのは制度だけではなく、「否定されない」「見てもらえている」と感じられる日々の接点です。人が辞める理由の多くは、数字そのものよりも、人間関係の中にあるのではないでしょうか。
 

「超ピンポイント採用」は、経営者の覚悟を深く聞ける相手にしかできない

その後、ハイレイヤー向け人材紹介サービスを営むユニコーンパートナーズで、日本法人の責任者として事業立ち上げに携わりました。初年度の社員は私一人。自ら生み出した利益を採用に投資しました。経営者として採用や組織づくりの当事者になった経験は、私の大きな財産です。

ハイクラス採用の難しさは、要件が細かく、しかも未来を見て採る点にあります。単に経歴やスキルがマッチするだけでは不十分です。経営課題を解決できるか、組織に合うか、力を発揮できるか……といった、非常に解像度の高い見立て、超ピンポイントのマッチングが必要です。

だからこそ、私は、ハイクラス採用支援の出発点は企業理解だと考えています。企業が何に困っていて、なぜその課題が起きていて、どうなりたいのか。そこを「なぜ」で深く聞き切れないと、的確な採用支援はできません。企業から見えている課題と、本当の課題がずれていることもあります。そのズレまで見立て、一緒に考えることが、エージェントの役割だと私は思っています。
 

「誰を採るか」より先に問うべきこと

私たちのような特化型エージェントに求められているのは、「狭く深く」入り込むご紹介だと考えています。ハイタッチで、業界や企業に深く入り込み、経営課題にまで踏み込んで個人と法人に向き合う。その積み重ねこそが、他にはない信頼につながると確信しています。

採用は、ただ欠員を埋める行為ではありません。会社を根幹から変える経営の武器です。だからこそ企業には、「誰を採るか」の前に、「自社をどう変えたいのか」を、ぜひ深く言葉にしてほしい。私たちは、その問いに本気で向き合うパートナーとして、最強の経営戦略である採用のご支援がしたいと考えています。

次回からは、採用や経営に関するコラムをお送りします。ぜひご覧ください。

執筆・編集

株式会社マスメディアン 取締役副社長 仲崇
人材紹介業で20年以上の実績を持つ。パーソルキャリア(当時:インテリジェンス)でエリア拠点立ち上げを経験し、人材紹介事業部のゼネラルマネージャーを務めた後、ハイレイヤー向け人材紹介サービスを運営するユニコーンパートナーズ日本法人の責任者として事業構築・拡大を担う。2026年1月より現職。企業の採用を課題解決の武器と捉え、人材と企業をつなぐプロフェッショナル。