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広告志望の学生のインサイト 「安定」「給与」以外に刺さるポイントは?―新卒採用最新動向2024

 2024.07.17

  • 新卒採用
広告志望の学生のインサイト 「安定」「給与」以外に刺さるポイントは?―新卒採用最新動向2024
2025年度採用では、どのように学生に企業の魅力をアピールすべきか、採用広報に新たな視点が求められています。学生が重視する「仕事内容」「職場の雰囲気」「給与」の志向はますます強まり、広告業界の人気業態も揺らぎ始めているようです。2026年度採用に向け、学生の本音を捉えて柔軟な採用戦略を行うためには。マスメディアンの学生向け就活支援サービス「マスナビ」のコンテンツディレクター・小林が解説します。

企業の動き:過熱する採用直結型インターンシップ

2025年度採用から「採用直結型インターンシップ」が認められることとなり、選考開始のタイミングが大きく繰り上がりました。企業はインターンシップを早期採用の鍵として重視しています。また、特に社員のフィードバックがもらえるプログラムは、学生の志望度も高めることもわかりました。

>詳細は前回の記事をご覧ください。

学生の動向

1.2026年度採用(2026年4月入社)における学生の現況
2024年7月現在、大手企業では2025年度(2025年4月入社)採用の最終盤を迎えると同時に2026年度(2026年4月入社)採用の準備がスタートしています。一方で中堅~中小企業では引き続き2025年度(2025年4月入社)採用が行われています。

2026年度採用において、学生が就職活動を始める時期は前年度から大きな変化はなく、3学年から4学年に移り変わる春ごろでした。マスメディアンが運営する、広告・マスコミ・IT業界を目指す学生のための就職・就活応援サイト『マスナビ』の新規登録人数を比較したところ、2025年度と2026年度では、どちらも3学年の3月~4学年の5月にかけて大きく増加していました。

広告業界にエントリーする学生の数も、前年から大きな変化は見られません。併願先の傾向も変わらず、クライアントの課題解決に興味を持つ学生は「コンサルティング業界」。デジタルマーケティングに興味を持つ学生は「IT業界」を、広告業界と併せて検討するようです。また、マーケティングに興味を持つ学生は、一般企業のマーケター職も視野に入れて、就職活動を行っています。

そのような中、2025年度採用から2026年度採用にかけて、広告志望の学生の志向に変化が見られはじめています。

2.2026年度採用で注目すべき学生の変化
(1)PR会社を単願する学生が増加
2026年度採用では、PR会社を単願する学生の増加が目立つと考えられます。

PR会社を単願する学生自体は、2025年度採用から見られはじめています。以前は、業界研究が十分に深まった就職活動後期(3学年の後半)や、選考時期が早い大手広告会社を受けきったタイミングで、広告会社からPR会社へ目を向けるケースが一般的でした。しかし、「広告会社の併願としてPR会社を受ける」、つまり広告を入口にその後PRへ興味を持つ、という流れが変化しつつあるのです。

学生がPR会社を単願するようになった理由はさまざまに考えられます。広告そのものへの逆風、PRはニュースをつくることができる点、ケースによっては広告より大きなインパクトを与えることもできる点、学生に人気のITスタートアップの認知拡大をサポートできる点、学生の関心が高いCSR・CSVなど社会的意義の高い活動に寄与できる点などです。実際に、マスナビで実施した2025年卒学生向けの合同企業説明会など広告・PRの複数企業を比較できる場では、「広告」と「PR」それぞれの特性を積極的に訴求するPR会社が多く、参加学生もPR会社への志望度を高める様子が見受けられました。

また、2025年度採用は採用直結型インターンシップによる選考開始の早期化を受けて、学生側は業界研究への着手が早まり、就職活動前半(3学年の前期)にはPR会社に目を向けるようになっていました。広告業界の中でも動き出しが早かったPR会社は、これらの学生とのタイミングがうまく合致したことも理由と考えられます。2026年度採用も、学生の業界研究への着手は早まり、併せて広告からPRへ学生の意識が移る時期も早いことが予想されます。

(2)志向の変化
学生の「職場や企業とのカルチャーマッチの重視」や「安定志向」の傾向は、2026年度も強まっていくと考えられます。参考のために、直近の学生の志向の変化をご紹介します。

マスナビでは、学生へサービス登録時にアンケートを実施しており、毎年4月にその集計結果から学年ごとの志向性の違いを分析しています。直近で実施した2024年卒学生(2024年度4月入社予定の学生が対象)と2025年卒学生(2025年度4月入社予定の学生が対象)のアンケート結果の分析から、「就職活動において企業を選ぶ上でのポイント(複数選択可)」という設問に対して、回答が多かった上位3項目は以下でした。

2024年卒学生:「仕事内容が魅力的」27.6%/「職場の雰囲気が良い」25.4%/「福利厚生が充実している」19.3%
2025年卒学生:「仕事内容が魅力的」45.4%/「職場の雰囲気が良い」40.8%/「福利厚生が充実している」32.7%

2025年卒学生を2024年卒学生と比較すると、項目の種類は同じですが、選択する学生の割合が13~17ポイントも増加しています。なかでも半数近くが「仕事内容が魅力的」「職場の雰囲気が良い」を選択しています。職場の雰囲気を重視する傾向は、コロナ禍が明けて企業との直接のコンタクトが増えたことにより、顕著な上昇が見られます。また「仕事内容が魅力的」の選択者が増えた背景はVUCA時代だからこそ。テクノロジーの急速な変化などにより将来の経済やビジネスを予測しにくい現代において、企業規模やブランドよりも、その職種でどんなスキルを身に付けられるか、セルフブランディングにつながるのかを重視する、“就社”より“就職”の意識が強まっている傾向が大きな理由だと考えられます。別項目の「高いスキルが身に付く」でも15.3%(2024年度)、23.1%(2025年度)と7.3ポイント伸長し表れています。2026年度採用でも、この傾向は続くと見受けられます。

また、別項目の「給与・待遇が良い」を選択した学生は、14.3%(2024年度)、26.2%(2025年度)と12.1ポイント増加しました。安定志向の中でも、「将来の安定」というより「目先の生活の安定」、つまり初任給の高さを重視している傾向にあるようです。企業側においても、2025年度採用では、大手~中堅企業では、初任給が25万円以下という企業はほぼなくなってきているのが現状です。2026年度採用では、中小企業でも初任給の見直しを図ることで、学生獲得の一助になり得るかもしれません。

(3)職種別採用への人気高まる
近年、「職種別採用」「ジョブ型雇用」への関心が高まっていますが、2026年度採用ではさらに「初期配属確約型採用」へも学生の注目が集まりそうです。

企業側からも、希望職種の学生をピンポイントで狙いたいという相談が増えています。マスナビではクリエイター職、プロデューサー職、営業職、理系デジタル職まで多くの職種専門イベントを実施。学生人気の高いイベントとなりました。

ただ、「ジョブ型雇用」の場合、入社後に職種に適合しなかった場合も配置転換は難しいというリスクがあります。そこで、2025年度~2026年度採用から増加したのが「初期配属確約型採用」です。「初期配属確約型採用」とは、最初の配属先が入社時までに提示される総合職採用のこと。企業によって入社後の人材育成コースはさまざまですが、「ジョブ型雇用」とは異なり、総合職ゆえに配置換えも可能です。

(4)オンラインとオフラインのハイブリッドな情報収集
就職活動における情報収集の際、学生はオンラインとオフラインを巧みに使い分けています。2025年卒業予定学生は、2学年からはコロナ禍の影響が段々と薄れ、通学での授業やサークル活動など、リアルでの大学生活も徐々に再開した世代です。企業のSNSやオウンドメディアのチェックはもちろん、就職活動用のSNSアカウントで同じ広告業界志望の学生とつながり、情報交換やエントリーシートをブラッシュアップする例も。一方で、オフラインでは企業の一次情報に当たれるため、OB・OG訪問やインターンシップ参加などにも積極的です。今後も学生生活へのコロナ禍の影響が薄れていくにつれ、オフラインに加えて、オンラインを情報収集に有効活用する学生は増えていくことでしょう。

3.2026年度の採用成功に向けて
学生の志向は多様化の一途をたどっています。2026年度の採用成功に向けては、自社についてよく知ってもらうための採用広報がより重要となるでしょう。例えば、インターンシップは学生にとって、早期選考のチャンスであることはもちろん、職場の雰囲気や業務内容など学生が強く求める一次情報に触れるチャンスでもあります。選考要素のないワンデープログラムでも、人気は高いようです。そのほか、説明会やイベントの実施においても、学生に志向性の一致を感じてもらうためには、上述のアンケートが示すような、職場の雰囲気や同僚間のコミュニケーションといった細かなカルチャーを意識して伝えることが有効だと考えられます。また、学生が情報収集に活用するオンラインでの広報にも、引き続き注力が必要です。

4.就活イベントの活用を考えている採用担当者さまへ
マスナビでは、学生の志向性の変化に合わせた、合同企業説明会や職種専門イベントなどを数多く実施しています。2026年度卒学生への採用広報に有効なイベントの一部をご紹介します。

2024年10月に「マスナビ就活フェス~マスコミ・広告編~」を実施予定。早期選考や秋冬インターンシップを開催する企業による合同企業説明会で、毎年メディア志望の学生も多く参加します。「2.2026年度採用で注目すべき学生の変化」の(1)でも述べた「ニュースをつくることができる」点を訴求すれば、PR会社などが母集団形成に成功する良い機会となります。

2025年2月には「マスナビ就活フェス~広告・マーケ編~」を実施予定。広告・マーケティング関連企業が一堂に会するため、毎年数百名の学生が参加する、マスナビ最大級の合同企業説明会です。ブランディング会社、SP会社、イベント会社、PR会社、制作会社など広告志望の学生の選択肢を広げる機会として、毎年マーケティング関連企業から好評をいただいています。

また、同月にはジョブ型志向に合わせた職種研究イベント、「クリエイター編」「プロデューサー編」を開催予定です。広告・クリエイティブ業界、マスコミ業界の第一線で活躍されている方々を講師に迎え、学生時代や就活、現在の仕事について話を伺うイベントです。職種研究、業界研究、さらにはOB・OG訪問の代わりにもなることから、毎年学生に大きな人気を呼んでいます。専門職種を採用したい企業の皆様はぜひご参加ください。

ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。
 
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5.多面的な採用広報、内定者フォロー施策を考えている採用担当者さまへ
マスナビではその他の施策として、広告業界を志望する学生のための就活本『広告界就職ガイド(発刊・宣伝会議/編集協力・マスナビBOOKS編集部)』を扱っています。大手企業から少数精鋭のエージェンシーまで、幅広い業種・規模の企業情報を掲載しており、腰を据えて業界理解を深めたい学生が手に取っている書籍です。

同書籍が学生から支持されている主な理由は詳細な選考情報。たとえば、採用スケジュールに加えて、前年の採用実績を「昨年のエントリー数は●名、1次面接通過は●名、内定は●名」という形で明記しています。それを参考に、競争率を把握して、業界研究や対策のスケジュールを立てている学生も。また、企業ごとに掲載している「採用担当から就活生へのメッセージ」、「新卒採用で重視するポイント」も企業研究に役立てられています。

2024年9月発刊予定の『広告界就職ガイド2026』に貴社の採用情報を無料掲載できるプログラムがあります。

他にも、内定を出した学生へのリテンション施策として、宣伝会議が提供する教育講座を内定者フォロー研修に利用することが可能です。また宣伝会議が主催する販促コンペ・BOVA・宣伝会議賞などの公募賞へ、内定者チームで挑戦させるのもお勧めです。人事担当のみならず現場社員と内定者、内定者同士の交流を図ることで、内定辞退を防ぐことが狙いです。内定者フォロー研修のカリキュラム相談などもマスナビでは承ります。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
 
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【執筆者プロフィール】
小林 健太郎(こばやし けんたろう)

小林 健太郎(こばやし けんたろう)
株式会社マスメディアン マスナビ コンテンツディレクター

2012年マスメディアン入社。2014年よりグループ会社・宣伝会議の書籍の編集担当を務める。2020年より広告・マスコミ業界を目指す学生向けサービス「マスナビ」のコンテンツディレクターとして、イベント・書籍などさまざまなコンテンツを企画・制作する。『広告界就職ガイド』『クリ活広告クリエイターの就活本』シリーズなどの編集担当。

マスメディアンでは、新卒採用・中途採用の双方で、広告業界やクリエイティブ・マーケティング人材の採用に関するさまざまなご相談に応えてきました。

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