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過熱していく採用直結型インターンシップ 学生の志望度を高めるプログラムとは?―新卒採用最新動向2024

 2024.07.03

  • 新卒採用
過熱していく採用直結型インターンシップ 学生の志望度を高めるプログラムとは?―新卒採用最新動向2024
新卒採用の環境が変化し続ける中、2025年度採用では夏季インターンシップを活用した早期選考が、企業競争の鍵となっています。2026年度採用に向け、優秀な学生を獲得するための最新のインターンシップ戦略と採用動向について、マスメディアンの学生向け就活支援サービス「マスナビ」のコンテンツディレクター・小林が解説します。
2024年7月現在、大手企業では2025年度(2025年4月入社)採用の最終盤を迎えると同時に2026年度(2026年4月入社)採用の準備がスタートしています。一方で中堅~中小企業では引き続き2025年度(2025年4月入社)採用が行われています。採用活動の早期化・長期化の傾向が見受けられます。

2025年度採用からは、選考開始のタイミングが大きく繰り上がりました。「採用直結型インターンシップ」が認められたためです。2024年度採用までは「3学年の夏季インターンシップは採用広報の一環、春季に選考開始」が一般的でした。それが、2025年度採用では「3学年の夏季インターンシップで選考開始、秋季・冬季の早期選考、春季の通常選考まで採用活動が続く」と変化。2026年度採用もスケジュールは同じです。その中で採用活動をスタートダッシュさせるために夏季インターンシップへの注目度が高まっています。

1.2025年度(2025年4月入社)採用までの傾向
上記からもわかるように、2025年度採用で最も変化した点は、「採用直結型インターンシップ」が認められ、取り入れる企業が出てきたことです。さらに、インターンシップを実施するのは従来、大手企業ばかりでしたが、中堅企業が参入するようになりました。

広告業界でも同様に、インターンシップによる早期選考の本格化が見られています。2025年度採用では「3分割採用」と呼ばれる割合で学生獲得を行うようになりました。「3分割採用」とは、採用予定数を3分割し、3学年夏季インターンシップ・秋季冬季インターンシップ・3学年から4学年にかけた春季の本選考、と3回に分けて内々定出しをすること。インターンシップでも本選考と同等の割合で、採用予定数を獲得しようとしていることがわかります。

また、広告業界志望の学生が併願することも多いマスコミ業界では、夏季インターンシップでの選考は活発ではありません。結果的に、テレビ業界や出版業界と比べて、広告業界の選考開始が約3カ月先行する形になりました。
マスコミ業界の採用スケジュールを示す図表
図表.マスコミ業界の採用スケジュール
一方で、学生の就職活動の開始時期は、大きく早まることはありませんでした。3学年の春ごろに就職活動をスタートさせる学生が多いようです。

また昨今、採用においては「AIによる選考」にも注目が集まりますが、2025年度採用の広告業界では選考への導入は聞かれませんでした。一方で、採用広報や採用プログラムに生成AIを取り入れる企業が出てきています。ある大手企業では、インターンシップ応募サイトのトップビジュアルの制作に生成AIを使用し、プログラム内でもChatGPTのプロンプト作成を含む課題を出しています。また学生も、応募書類の志望動機や自己PRの作成にChatGPTなどを利用しています。生成AIを使用してつくられた応募書類では、その学生自身の志向・経験がわかりづらくなるため、企業は、選考の場でしか答えられない回答方法や課題に変更するなど対策を実施しています。

2.2026年度採用で注目すべき変化
(1)採用直結型インターンは、2026年度採用でも過熱
まず、大手企業の動向について。2025年度に引き続き、2026年度採用でも、企業は優秀な学生を早期獲得するためのスタートダッシュとして、夏季インターンシップを重要視しています。

併せて、競合企業に先駆けて母集団を形成するため、広報ニーズも高まっています。その要望に合わせて、マスナビ主催による合同企業説明会「マスナビインターンフェス」は開催時期が年々早まり、2024年度採用では6月に実施していたものが、2025年度採用は5月中旬~下旬、2026年度採用では5月上旬~中旬の開催となりました。また、2025年度採用からは大手企業のみならず幅広い企業のイベント参加が増えています。

2025年度採用において、採用直結型インターンシップを実施した企業では、2段階に分けて選抜・選考をする企業が多かったようです。まず1~2日間の短期プログラムで学生を多く集めて選抜し、通過した最大50人程度の学生を5日間~2週間程度の選考要素があるインターンシップに案内することで、効率的に選考を進めました。

また、学生の満足度や志望度を高めたプログラムは、期間や選考要素の有無にかかわらず、社員からのフィードバックがもらえるものでした。企業によっては、その後の本選考へのアドバイスをする例もありました。内々定出しを秋季・冬季に行い間が空いてしまう企業には、内定者とのリテンション(関係維持)に効果的と考えられます。

こうしたインターンシップの過熱は、2026年度採用でも続くと見られています。また、内定出しまでの学生へのリテンション施策にも、各企業注力していくでしょう。

中堅企業においても、2025年度採用から夏季インターンシップに参加し、採用成功した企業も多々ありました。ただ、これからインターンシップを取り入れる場合は形式や回数をよく考える必要があります。実施にかかる時間や人員を考えると、採用人数が5名以下なら、秋季以降の本選考に集中することをお薦めします。また、実施する場合は、選考を目的とした5日~2週間の短期プログラムではなく、内定を前提として、内々定者の辞退を防ぎ、かつ、即戦力に育成するための1カ月以上の長期プログラムを実施するのがよいでしょう。また、採用人数が5名~15名なら秋季・冬季のインターンシップを実施する、15名~30名なら夏季と秋季・冬季のどちらも実施するなど、実施回数を検討しましょう。

(2)その他の変化
2026年度採用では、ダイレクトリクルーティングは下火になる見込みです。2023年度~2024年度にかけて利用数を伸ばしたものの、スカウトへの応募率が低く、また、志望度が低い学生が集まってしまう例が多くありました。それにより、2025年度採用以降、採用手法を見直した企業が多いようです。

また、新卒採用予定数は、2024年度、2025年度と増加しましたが、2026年度採用では落ち着く見込みです。コロナ禍後の求人需要が充足しつつあるため、2026年度は2023年度の採用数に戻ると考えられます。

3.2026年度の採用成功に向けて
2025年度採用では、インターンシップ新ルールの適用による採用活動の早期化と激化、ダイレクトリクルーティングの沈静化など、採用手法に大きな変化が見られる年となりました。2026年度採用からインターンシップを開始しようと考える企業は激化する競争の中に飛び込むこととなり、ノウハウがない状況では採用成功につながりにくい可能性があります。「インターンシップフェス」をはじめ、インターンシップ実施をサポートしてきたマスナビなら、初めて実施する企業にも、採用成功に導くアドバイスが可能です。また、合同企業説明会の主催、単独企業説明会の運営代行なども行っています。募集方法から説明会の内容まで、ぜひマスナビにご相談ください。

4.就活イベントの活用を考えている採用担当者さまへ
マスナビでは、秋冬インターンや早期選考を予定する企業のために、2024年10月に合同企業説明会を開催します。夏インターンの告知のために実施した2024年5月開催の合同企業説明会(2日程・合計3000人予約)の関連イベントとして、秋冬インターン情報などを業界志望の学生に効果的に周知できるイベントとして用意しています。

その他に、広告・マスコミ・エンタメ業界の企業の採用担当が一堂に集結する合同企業説明会を毎年冬に開催しています。2025年度の学生向けには2024年1月、2月に実施。1月は1100人以上、2月は800人以上の予約があり、例年学生に人気のイベントです。広告・マスコミ・エンタメ業界への志望度が高い学生が、関連企業を一気に知るために参加しているのが特徴です。

大手企業から少数精鋭の企業まで幅広く参加しており、企業規模を問わず満足の声をいただいています。ある中小企業は、「広告業界内では有名だが、学生からの認知度は高くない」という課題を持っていましたが、マスナビの合説で社長が直々に自社のビジョンや仕事を説明したことで学生の心を捉え、想定以上の応募獲得につながったこともありました。

参加した学生へのアンケートからは、「マスコミ志望だったが、合説に参加して広告プロデューサーの面白さを学び、広告会社志望になった」「大手企業目当てで参加したが、SP会社の説明を聞き、仕事の面白さにひかれて応募を決めた」といった声が見られます。

ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。
 
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5.多面的な採用広報、内定者フォロー施策を考えている採用担当者さまへ
マスナビではその他の施策として、広告業界を志望する学生のための就活本『広告界就職ガイド(発刊・宣伝会議/編集協力・マスナビBOOKS編集部)』を扱っています。大手企業から少数精鋭のエージェンシーまで、幅広い業種・規模の企業情報を掲載しており、腰を据えて業界理解を深めたい学生が手に取っている書籍です。

同書籍が学生から支持されている主な理由は詳細な選考情報。たとえば、採用スケジュールに加えて、前年の採用実績を「昨年のエントリー数は●名、1次面接通過は●名、内定は●名」という形で明記しています。それを参考に、競争率を把握して、業界研究や対策のスケジュールを立てている学生も。また、企業ごとに掲載している「採用担当から就活生へのメッセージ」、「新卒採用で重視するポイント」も企業研究に役立てられています。

2024年9月発刊予定の『広告界就職ガイド2026』に貴社の採用情報を無料掲載できるプログラムがあります。

他にも、内定を出した学生へのリテンション施策として、宣伝会議が提供する教育講座を内定者フォロー研修に利用することが可能です。また宣伝会議が主催する販促コンペ・BOVA・宣伝会議賞などの公募賞へ、内定者チームで挑戦させるのもお勧めです。人事担当のみならず現場社員と内定者、内定者同士の交流を図ることで、内定辞退を防ぐことが狙いです。内定者フォロー研修のカリキュラム相談などもマスナビでは承ります。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
 
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【執筆者プロフィール】
小林 健太郎(こばやし けんたろう)

小林 健太郎(こばやし けんたろう)
株式会社マスメディアン マスナビ コンテンツディレクター

2012年マスメディアン入社。2014年よりグループ会社・宣伝会議の書籍の編集担当を務める。2020年より広告・マスコミ業界を目指す学生向けサービス「マスナビ」のコンテンツディレクターとして、イベント・書籍などさまざまなコンテンツを企画・制作する。『広告界就職ガイド』『クリ活広告クリエイターの就活本』シリーズなどの編集担当。

マスメディアンでは、新卒採用・中途採用の双方で、広告業界やクリエイティブ・マーケティング人材の採用に関するさまざまなご相談に応えてきました。

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