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広告志望の学生が、企業選びで重視するポイントとは?―新卒採用最新動向2023

 2023.07.05

  • 新卒採用
広告志望の学生が、企業選びで重視するポイントとは?―新卒採用最新動向2023
就職活動・採用活動のオンライン化や本格的なインターンシップ実施企業の増加など、変化の続く新卒採用市場。2024年4月採用の実状からうかがえる傾向とともに、2025年4月の新卒採用の現状と見通しを、マスメディアンの新卒採用コンサルタント・加藤が解説します。

2024年度(2024年4月入社)採用までの傾向

2023年7月現在、大手企業では2025年度(2025年4月入社)採用の準備が本格化しはじめ、中小企業では引き続き2024年度(2024年4月入社)採用が行われています。厚生労働省の調査(※)によると、2023年4月に大学等を卒業する学生の就職率は97.3%で、前年同月比1.5ポイントの上昇となりました。

就職活動の時期は年々早まっており、広告業界でも同様です。マスメディアンが運営する広告・マスコミ・IT業界を目指す学生のための就職・就活応援サイト『マスナビ』の登録学生数の推移にも、早期化が表れています。2023年4月初頭時点の大学3年生(2024年4月入社)の登録者数は、2022年4月初頭時点の大学3年生(2023年4月入社)の登録数の約3倍に増加していました。早めに就職サイトに登録する学生が増えていることがわかります。

学生の就職活動の仕方も変化しつつあります。特に、本エントリーする企業を厳選する傾向が見られるようになりました。就職ナビサイトや口コミサイト、SNSに情報が溢れているからこそ、それらの情報を吟味し、「慎重に企業を比較検討したい」「関心の強い企業の研究・選考に専念したい」と考えているようです。その影響からか、私が新卒採用を支援しているいくつかの広告会社から、「前年と比べてエントリー数が3分の2程度に減ってしまったので、追加募集をしたい」という相談がありました。

そんな状況の中、採用担当者からは、「広告業界を志望する学生の数が減っているのではないか?」という声も上がっています。少子化の影響と先述の学生の動きを踏まえると、広告業界にエントリーする学生の数は、減少あるいは横ばいであると推測されます。さらに、働き方改革に注目が集まる中、「広告業界=ハードワーク」という根強いイメージがマイナスに働くこともあるようです。

2025年度採用で注目すべき学生の変化

(1)広告業界を志望する学生のインサイト
広告業界を志望する学生は、どういった点に興味・関心を抱いているのでしょうか。これまで同様、アイデア・発想力を活かせることやクリエイティブというアウトプットを伴った課題解決ができることに魅力を感じる学生は多くいます。また、さまざまな業種のクライアントと仕事ができることも魅力です。

こうした志向から、広告業界に興味を持つ学生は、コンサルティング業界やIT業界にも興味を持つことが多いです。たとえば、「クライアントの課題解決ができること」に魅力を見出している学生はコンサルティングにも興味を持つ傾向にあります。また、「デジタルマーケティング」に興味を感じている層はデータサイエンスにも興味を持ち、IT業界にも注目しているようです。

特に、広告会社とコンサルティング会社について、数年前までは事業領域が異なり、「コンサルティング会社=設計図を描く(マーケティング戦略の立案)」「広告会社=設計図に基づくアウトプット(プロモーション企画や制作)」というすみ分けができていました。しかし、近年ではコンサルティング会社がアウトプットまで手がけるようになり、広告会社が戦略立案にも進出しています。できる仕事の内容が接近してきたことから、事業においてはもちろん、採用においても競合となっています。

こうした中で、広告業界を志望する学生の就活の進め方はさまざまです。1つ言えるのは、学生にとって就活は長期化しているということ。これは、採用のタイミングが企業規模によって極端に離れつつあるためです。大手企業はどんどん選考時期が早まっており、IT業界は広告業界よりさらに1~2カ月早いと言われています。一方で、中小企業は従来どおり秋から冬にかけて採用活動をする企業が多いため、業界単位で見ると、ほぼ1年間にわたって面接選考が行われているのです。

そうした状況で、それでも「慎重に比較検討したい=春に大手企業から内々定が出ているが、秋冬に採用活動をする中堅・中小も受けたい」という学生はいます。もちろん、「大手企業で内定が出たので満足」と就職活動を終える学生も少なくありません。学生の就職活動の進め方は、非常に多様化しています。

(2)学生が企業選びで重視するポイント
そんな学生たちが、企業選びにおいて重視しているポイントは何でしょうか。マスナビが実施し、2023年4月時点で集計したアンケートでは、2024年以降に卒業予定の学生が「企業選びのポイント」として最も多く選択したのは「仕事内容の魅力」でした。「カルチャーマッチ」「福利厚生」と続き、これら3つの選択率は7~8割に及びます。なかでも、「仕事内容の魅力」「カルチャーマッチ」を重視する傾向は、2021年度から顕著に増加しています。一方、「業界順位」や「企業規模」、「業績・債務状況のよさ」は2割に留まりました。つまり、会社に関する客観的な数字よりも、入社後に自分がどんな仕事や働き方ができるかが重視されていると考えられます。

仕事内容については、マスナビ登録学生の40%が企画・マーケティング職を志望しており、35%が営業職を志望していました。ここで気になる点は、一部の学生には「マーケティングの仕事は、事業会社でしかできない」という認識が見られること。「広告会社では戦術しかできないのではないか」「戦略づくりがしたいので、事業会社のマーケティング職がいい」という声を聞くこともあります。業務領域は会社により異なりますので、これは正確ではありません。マスナビに登録している学生は、広告業界への興味・関心が高い学生ですが、それでも正確な情報に到達できていない場合もあることがわかります。

(3)学生はどのように情報収集をしているのか
それでは、現在の学生はどのように情報収集を行っているのでしょうか。2025年卒業の学生は、学生生活において、コロナ禍の影響を強く受けた世代。「情報不足」への危機感と忌避感を強く持っているものの、先輩や同期とのつながりが薄く、情報収集には苦労していると聞きます。

そんな中で活用されているのはSNSやLINEオープンチャット。オープンチャットは、LINEの「友だち」になっていない相手とも匿名でコミュニケーションを取れる機能です。「広告業界を目指す学生」「A社の選考を受けたい学生」といった属性で集まれるトークルームのほか、採用企業が設置した、人事担当者とコミュニケーションを取れるトークルームもあります。「A社の選考を受けている学生」が集まるトークルームでは、「A社で◯◯の仕事はできるのか」「A社は広告以外の事業もやっているが、特に強みとしているのはどこなのか」といった質問が飛ぶことも。選考対策や、実際に働く人のリアルな声を知るための情報収集に使われています。

また、業界理解を深めていく段階において、学生は「業界全体を知りたい」と考えながらも、実際には「まずは大手企業から情報収集を始める」というアプローチを取ることが多いようです。大手企業はオウンドメディアやSNSを活用し、詳細な業務内容や先輩社員の人柄、「1日の過ごし方」など、学生にも親しみやすい情報を積極的に発信しているため、最初の一歩として理解しやすいのでしょう。最近では、社員同士の対談動画を掲載し、より働く人の人柄が見える情報提供をする企業も見られます。

2025年度の採用成功に向けて

現在の学生は、自分に合った仕事や社風を見極め、慎重に企業を選びたいと考えています。しかし、そのための情報収集に苦戦しているのが実情です。だからこそ、企業からの情報発信の工夫が重要となります。自社ならではの情報を伝えるには、採用オウンドメディアが役立ちます。ただし、コストがかかりますし、オウンドメディアにたどり着いてもらうための認知獲得も必要です。

そのため、まずは、既存のメディアに掲載している情報の見直しから始めるのがおすすめです。最も多くの学生が就活の情報収集に使っているのは、やはり新卒求人サイトと応募企業のWebサイト。そこに、会社の特徴や社風が伝わる情報を掲載できると、学生も安心して応募ができます。

また、会社説明会のブラッシュアップも重要です。業務内容や社風を伝えるのに、テキスト情報以上に効果的だからです。特に、広告業界はBtoBの仕事であるため、学生に業務内容をイメージしてもらうのは想像以上に難しいもの。権利の関係で、制作やキャンペーンの実績は公にできない企業も多いでしょう。そこで会社説明会というクローズな場を活用し、実際の案件に基づいて、あるクリエイティブができあがるまで(クライアントが抱えていた課題、その解決の方法、それを企画にする過程)を説明する企業もあります。

採用にかけられるコストや工数、そして求める人物像を踏まえ、学生が知りたい情報を提供することが採用成功のカギとなります。マスナビでは、合同企業説明会の主催、単独企業説明会の運営代行をはじめ、さまざまな方法での新卒採用を支援してきましたので、ノウハウをご提供できます。募集方法から会社説明会の内容まで、何かありましたらマスナビにご相談ください。

おわりに

今回は、学生に焦点を合わせて新卒採用動向をお伝えしました。早期化する新卒採用をうまく進めるためには、こうした学生の動向を参考に対策・工夫をすることは重要です。そして、同時に、広告業界全体・他社の採用の動きも見ていく必要があります。次回は企業動向にフォーカスしてお伝えします。

外部メディア活用を考えている採用担当者さまへ

認知獲得のための外部メディアとして最もポピュラーなのは大手就職ナビサイトですが、書籍や外部企業主催のイベントなど、媒体はさまざま。なかでも書籍は、専門家である第三者が編集しているため信頼性が高く、情報をしっかり吟味したいと考えている学生ほど手に取る媒体ですので、志望度の高い学生にリーチしたいときにはおすすめです。

マスナビでは、広告業界志望の学生のための就活本『広告界就職ガイド(発刊・宣伝会議)』を扱っています。大手企業から少数精鋭のエージェンシーまで、幅広い業種・規模の企業情報を掲載しており、腰を据えて業界理解を深めたい学生が手に取っている書籍です。

学生から支持されている主な理由は2つあります。1つは詳細な選考情報。たとえば、採用スケジュールに加えて、前年の採用実績を「昨年のエントリー数は●名、1次面接通過は●名、内定は●名」という形で明記しています。それを参考に、競争率を把握して、業界研究や対策のスケジュールを立てている学生も。また、企業ごとに掲載している「採用担当から就活生へのメッセージ」、「新卒採用で重視するポイント」も企業研究に役立てられています。

もう1つは、宣伝会議の編集部という広告業界の専門家が編集しているからこそ掲載できる濃い情報です。実際に読んだ学生からは、「もともと大手企業を志望していて、その情報から順に読んでいったが、読み進めるうちに地域に密着した仕事やPRの面白さを知り、地域密着系の広告会社やPR会社も選考を受けたいと思うようになった」という感想も。また、掲載企業の中には、ある年の内定者アンケートにて「何で自社を知ったか」を聞いたところ、20%以上が「広告界就職ガイド」と回答した企業もあります。

ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。
 
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※厚生労働省「令和5年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000184815_00039.html
【執筆者プロフィール】
加藤 巧恭(かとう こうすけ)

加藤 巧恭(かとう こうすけ)
株式会社マスメディアン マスナビ事業責任者
国家資格キャリアコンサルタント

広告・マスコミ・IT業界を目指す学生向け就活支援サービス「マスナビ」の事業責任者。広告・マーケティング・クリエイティブ職種専門の採用コンサルタントでもあり、100社を超える企業の支援実績を持つ。採用担当の立場を理解した提案をモットーに、自社の新卒採用担当の経験も活かし、本当に採用企業のためになる提案をする。

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